活動の記録

第十回THFセミナー

日時:2023年3月24日(金)16時〜17時30分
場所:on line (zoom)

演題:表面張力のはたらきによる身の回りの「ぬれ/浸透」現象あれこれ
講師:加藤正和(かとうまさかず)(協和界面科学株式会社 技術部)
概要:身の回りには液体の表面張力と固体表面との「ぬれ性」による様々な現象に溢れています。当社では液体表面張力やぬれ性を数値化した接触角の測定機器を製造販売しています。表面張力や接触角の測定に関する基本的な内容や測定事例を紹介し,ぬれ性や浸透性の面白さ,重要性などを共有できたら幸いです。

当社webサイト:https://www.face-kyowa.co.jp/

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図1  界面活性剤により油汚れが除去,洗浄される様子
図2  超撥水表面における水滴(水接触角)


第九回THFセミナー

日時:2022年12月2日(金)16時〜17時30分
場所:on line (zoom)

演題:その表面加飾、知的財産法で守れますか?
講師:小林 利明(こばやし としあき)(弁護士(高樹町法律事務所)・東京藝術大学非常勤講師)
概要:せっかくコストをかけて研究開発したデジタル表面加飾(その技術自体のみならず、加飾を施し生まれた素材やデザイン等)が他社にフリーライドされては困ります。それらを自社の重要な知的財産として守るためには、技術の特許化以外にも、ブランド化による保護、デザインとしての保護、営業秘密としての保護の可能性も考えられます。他方で、他社から「うちの権利を侵害した」と言われないように気を付ける必要もあります。本セミナーでは、法律用語の使用は最低限にできるだけ平易な言葉で、デジタル表面加飾を知的財産法を使ってどう守れるのか(とその限界)について俯瞰することを目標にしたいと思います。

講師プロフィール:http://takagicho.com/lawyer_kobayashi.html
高樹町法律事務所:http://takagicho.com/index.html


第八回THFセミナー

日時:2022年6月3日(金)16時〜17時30分
場所:on line (zoom)

演題:エッチングによる表面加飾概論
講師:山本 景太(やまもと けいた)(株式会社ワールドエッチング 営業技術部長)
概要:幅広い分野で使用されているプラスチック製品の表面加飾技術としてのシボ加工について、基礎的な工程の概要説明から最新のレーザーエッチング加工を紹介します。
昨今CMF(カラー・マテリアル・フィニッシュ)デザインに加え、機能性の付与についても注目が集まっており、エッチングとレーザー加工の違いや特徴について、具体例などを交えてご紹介させていただき、新たなCMF+F(Function)を生み出すきっかけとなれば幸いです。

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第七回THFセミナー

日時:2022年3月25日(金)16時〜17時30分
場所:on line (zoom)

演題:Color Form 環境に優しい多機能加飾技術の特徴と脱炭素への貢献
講師:上村 泰二郎(うえむら たいじろう)(株式会社GSIクレオス 執行役員 自動車軽量化ビジネスプロジェクト)
概要:自動車内外装部品を中心とするプラスチック加飾技術は、電動化の流れと世界的な環境対応要求の高まりにより大きな変革期を迎えています。Color Form型内塗装技術は無溶剤でCO2排出の大幅削減を実現し、且つレーザーエッチングやフィルム加飾との複合化によって多機能化とマルチデザインを実現出来るプロセスで、変革期のニーズに応えることが出来る技術です。その特徴と脱炭素貢献への可能性を説明します。

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第六回THFセミナー

日時:2021年11月12日(金)16時〜17時30分
場所:on line (zoom)

演題:テクスチャーを用いた視覚障害者の移動支援
講師:布川清彦(ぬのかわ きよひこ)(東京国際大学人間社会学部)
概要:屋内などの安全性が高く確保されている空間では、視覚障害者の誘導支援として硬さや摩擦といった床面素材の特性の違いを用いる試みが出てきています。視覚障害者は白杖や靴底を通した足裏で、その触覚情報を入手しています。白杖で入手できる素材の属性には、テクスチャー(摩擦)と硬さ(弾性)があります。今回は、テクスチャーに焦点を当て、日常的に白杖を用いて単独歩行する視覚障害者を実験参加者として、白杖を利用したときにテクスチャーの違いに対してどの程度の感度を持っているのかを測定した研究についてご紹介します。

テクスチャーを用いた視覚障害者の移動支援


第五回THFセミナー

日時:2021年7月16日(金)16時〜17時30分
場所:on line (zoom)

演題:工具や金型に適用される表面処理とトライボロジー
講師:安井 治之(やすい はるゆき)(石川県工業試験場)
概要:私たちの身の回りにある金属製品(例えば、自動車やフライパンなどの調理器具など)は、金属材料そのままで利用されている事例は少なく、ほとんどの場合、サビ防止の防錆処理や油が付かなテフロン処理などの表面処理が施されています。
当場では、金属製品の表面処理の研究を行っており、その評価の一つとして、トライボロジー(摩擦摩耗)を扱ってきました。
本講演では、これまでに当場で実施してきた表面処理の概要とその応用分野、トライボロジーの基礎についてご紹介します。

表面処理工具
表面処理工具
トポロジー試験機2
トライボロジー試験機(回転式)


第四回THFセミナー

日時:2021年6月11日(金)16時〜17時30分
場所:on line (zoom)

演題:トライボロジーと粗さ・表面形状の評価について
講師:中本 秀(株式会社キーエンス)
概要:トライボロジーとは、2つの物体が互いに滑りあうような相対運動を行った時の接触面やそれに関連する実際問題についての技術分野といわれます(wikipedia)。表面を加飾することで、機能をもたせ、滑りやすさや防汚性能をもたせることもあります。そういった表面状態の数値化で、粗さや形状の測定が有効です。今回は、実際にサンプルを測定しながらトライボロジーと粗さ・表面形状の評価についてお話いたします。

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第三回THFセミナー

日時:2021年2月19日(金)15時〜17時
場所:on line (zoom)

第三回セミナーでは、金平糖と3Dプリンターの話題を用意しました。本コンソではこれらを新旧加飾と捉えています。
金平糖はツノの生えた砂糖塊です(素人から見たらですが)。その味は砂糖そのものといえそうですが、ツノ(=加飾)が何かしたら仕事をしているように思えます。何しろ金平糖は長い間生き残っているお菓子ですから(1546年に日本に伝来※wiki)。
一方、3Dプリンターは、金平糖と対極に、設計された形状を忠実に再現する手法として近年活用されています。そんな3Dプリンターにも、製造法や造形形状に由来する結果的な表面模様があるようです。例えば、データは平面でもプリントしてみるとそこには加飾が、なんてことです。

本コンソの基本姿勢は「加飾のおかげで平面と何が違う」の追求で、特に加飾の機能的解釈や、見逃し機能の発見や活用に興味のベクトルを向けています。そこで今回のセミナーでは、謎の加飾で価値を作った金平糖の基本から可能性と、3Dプリントの偶有的加飾に関して、それぞれに造詣の深い講師をお招きして勉強する機会とさせていただきました。

演題1:コンペイトウの角の秘密と無限の可能性について
講師:フロイスしおり(大阪糖菓㈱代表取締役社長)
概要:室町時代にポルトガルから伝わったコンペイトウ。ボコボコしたくるみのような形がどのように星の形へと変化し、現在どのように作られているのか。門外不出と言われた角の秘密についても触れたいと思います。また、主原料はグラニュー糖ですが、虫歯になる・太るなどのマイナスのイメージがある中で、食べるだけではない無限の可能性についてお話したいと思います。

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演題2:3Dプリントによる加飾
講師:石堂 均(東京都産業技術研究センター)
概要:積層造形(3Dプリント)技術についての解説とインクジェット式装置による造形例をご紹介いたします。表面に現れる、積層の痕などの「荒れ」を3Dプリント品特有の「質感」として活用できないか議論したいと思います。

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第二回THFセミナー

日時:2020年12月11日(金)15時30分〜17時30分
場所:on line (zoom)
演題1:成形品の離型について
講師:中本 寿仁 スターライト工業㈱ トライボロジーCP技術部
概要:型は成型品の形状を決めるだけでなく、成型品に作業由来の模様を与える。本講演では特に「離型」に関して説明することにより、型由来の模様に関して考えるきっかけを提供する。

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演題2:表面加飾に対する粉砕技術の可能性
講師:五十嵐 章裕 アイメックス株式会社 専務取締役 開発本部長
概要:湿式分散機であるビーズミルを使用した加飾の可能性として、コア粒子への粒子被覆についてお話し致します。ビーズミルの根幹にある「粉砕・解砕・混合」技術は、ものづくりに広く利用される単位操作です。表面加飾においても活用できる場面がないか、幅広く議論できれば幸いです。

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第一回THFセミナー

日時:2020年10月9日(金)15〜17時
場所:on line (zoom)
演題1:「結晶粒と粒界 -分断された本体とつながったスキマ-」
講師:山口 渡
国立研究開発法人 産業技術総合研究所
磁性粉末冶金研究センター ハード磁性材料チーム
概要:材料のミクロな構造と機能の関係について、永久磁石を例に採ってご紹介します。その上で、その構造の特徴と可能性について皆様と議論したいと思います。

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演題2:補綴物の表面テクスチャーの現状と期待(仮)
講師:一志 恒太
福岡歯科大学 医科歯科総合病院中央技工室
概要:歯科用補綴物の表面調整(色味や粗さ等)に関する王道的な考えと、今後の課題や期待に関してお話しいたします。(予定)

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