サービス生産性を議論するとき、どの場面を想定するかで導入すべき技術が大きく変わります。たとえば、温泉旅館というサービスを考えた場合、利用者の視点では「おもてなし」とか「食事」とか「温泉での癒し」というような価値を思いつきます。 一方で、提供者側には「送迎」「掃除」「材料の買い出し」「調理」などお客様には見えない部分でのサービスプロセスがあり、これを効率化することも大事です。さらに言えば、近隣の温泉旅館や観光施設と連携し、「温泉旅館を訪ねること」全体の価値を向上させる視点も忘れてはなりません。これらの側面を混在したまま議論するのは賢明ではありません。そこで、本プロジェクトでは、サービスを大きく3つの層(レイヤ)に分けて考えることとしました。
第一の層はサービス提供層です。いわば利用者と提供者の接点で、ここで直接的なサービスが行われますお部屋に御案内したり、宿帳を書いてもらったり、配膳したりするサービスです。 第二の層はサービス支援層です。お客様と接点を持つ人だけがサービス提供者のすべてではありません。バックヤードでこれを支援している方々がいて、そこにもサービスプロセスがあります。掃除、買い出し、調理などでしょうか。 第三の層はサービス連携層です。提供者側は、自らのサービスのみを考えがちですが、利用者は複数のサービスをつなげてひとつのサービスストーリーとして受容しています。提供者側も連携して、これに応えることが、サービスの価値向上に繋がります。
第一層では主として顧客満足度がキーパフォーマンスファクターになると考えています。 |
|