独立行政法人産業技術総合研究所

サービス工学

ここでは、サービス工学を「サービスを利用する人々、提供する人々、さらにはサービスを提供するプロセスを、観測して分析し、さらにはモデル化することでサービスの生産性を向上する技術体系」と考え、プロジェクトを推進しています。現在、実社会で行われているサービス業の一部には「勘と経験」に基づくものが残っており、これらの部分に工学的手法を適用することで、サービスの生産性を飛躍的に向上させる(=サービス・イノベーション)ことができると考えています。

産総研は、このプロジェクトを通じて、できるだけ汎用的で(いろいろなサービス業で使える)、定量的で(効果を数字で表現できる)、客観的な(誰がやっても同じ答えを出せる)技術を確立していきます。これらの技術は、モジュールという固まりでとりまとめ、サービス業界に幅広く活用してもらうべく、普及を図っていく予定です。

サービスの勘と経験でカバーされていた分野に工学的手法を導入すると言うことは、すなわち、サービスが自動化され味気なくなり、雇用も減るのではないかと思われるかも知れません。われわれの目指しているものはそう言うものではありません。サービスの中には、すでにIT(情報技術)を導入して自動化されている部分、マニュアルなどでプロセスが明文化されているオペレーション、そして現場の提供者の勘や経 験(暗黙知)に頼っている部分とが混在しています。このうち、勘や経験に頼っている部分を分析し、可能であれば、その一部をITシステムとして自動化するとともに、人手で対応すべきところはマニュアルとして整備しオペレーションを整えます。こうすることで、均質で質の高いサービスが実現されます。

それでも、サービス提供者はまた新しい勘や経験をその上に蓄積していくでしょう。これによってさらにサービスの質は上がり、顧客価値も向上すると考えています。サービス業と対比される製造業の分野では、こういうサイクルを通じて基盤技術を蓄積しつつ、価値の向上と質の管理を進めてきたと言えます。サービス業にもそのようなサイクルを産み出そうというわけです 。

・サービス工学:サービスの需要側や供給側のプロセスを工学的な手法で観測、分析、モデル化し、これをサービスの生産性向上に役立てる技術
・勘や経験がカバーしていた部分に工学的手法を適用することで、サービスイノベー ションを活性化
・技術をモジュール化して幅広く活用・普及を図る

サービス工学

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