海洋調査について
経済産業省の第34回メタンハイドレート開発実施検討会(2019年10月16日)の資料6「表層型メタンハイドレートの研究開発実行計画(案)概要」に基づいて、海洋調査の目的と手法を紹介します。日本海で産出試験を実施する場合の最もふさわしい地点の特定のための検討に向けて、多角的な海洋調査・研究がスタートしています。
精密地下構造探査や熱流量探査、海洋電磁探査、海底下浅構造探査などにより、地盤強度や海底の現状を把握するだけでなく、同時に研究開発の進む回収・生産技術や、産出試験実施に伴う海洋や地質、海洋生物への環境影響評価にも貢献していきます。
本分野では次の3項目の調査研究を実施します。
- 賦存状況等を把握するための海洋調査
- 精密地下構造調査 表層型メタンハイドレートの存在が確認されている海域において、高分解能海上三次元地震探査を実施し、表層型メタンハイドレート賦存域の精密地下構造データの取得に取り組みます。
- 熱流量調査 熱流量データを取得し、高分解能海上三次元地震探査データに観察されるBSR分布と併せて解釈することでハイドレート安定領域下限深度の評価に取り組みます。
- 海底の状況等を把握するための海洋調査
- 地盤強度調査 表層型メタンハイドレートの存在が確認されている海域を対象に、海底及びメタンハイドレート賦存深度付近までの胚胎層の地盤強度調査を行います。
- 海底現場状況調査 底層流、塩分濃度、海底水温、圧力、海底下のメタンガス、メタンプルーム等の海底の現場状況を把握するための海洋調査を実施します。
- 海洋産出試験の実施場所の特定に向けた検討 上に述べた調査結果等を踏まえて、海洋産出試験の実施場所を特定するための検討を行います。
海洋調査の実績と計画
経済産業省の第36回メタンハイドレート開発実施検討会(2020年3月16日)の資料6「海洋調査の進捗状況と今後の方向性について」に基づいて、海洋調査の状況と計画を紹介します。なお、ここで示した調査の計画については、2020年3月時点の諸条件に基づいたもので、具体的な実施時期や調査項目等については、関係者のみなさまと調整させていただく予定です。