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―研究成果―

ドットエスティ B.LEAGUE ALL-STAR GAME 2023 IN MITOにおいて感染予防のための調査結果速報

掲載日:2023/1/21

[B.LEAGUE HP]

概要

国立研究開発法人 産業技術総合研究所(以下「産総研」という)新型コロナウイルス感染リスク計測評価研究ラボ(ラボ長:保高徹生、以下「研究ラボ」という)の保高 徹生 ラボ長、大西 正輝 副ラボ長、内藤 航 副ラボ長らは、公益社団法人ジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグ(以下「Bリーグ」という)と連携し、1月13日、14日に開催された「ドットエスティ B.LEAGUE ALL-STAR GAME 2023 IN MITO」(以下「オールスター」という)の会場において、観客のマスク着用率、観客の応援状況および会場内CO2濃度計測の感染予防対策の調査を実施した。本報では、観客のマスク着用率とCO2濃度の計測結果を速報として報告する。

マスク着用率

オールスター会場では、両日ともにベンチ側およびベンチ向かい側のスタンド2箇所へ計4台のカメラを設置し、観客のマスク着用状況を計測した。計測結果を表1に示す。試合中のマスク着用率は97.5〜97.6%、ハーフタイムでは95.0〜95.2%と高い値であり、マスクを着用して応援するというスタイルが定着していることを確認した。

表1 マスク着用率の計測結果

計測日 試合中 ハーフタイム
1月13日(Day 1) 97.6% 95.0%
1月14日(Day 2) 97.5% 95.2%
CO2濃度の計測結果

オールスター会場において、13日は10台、14日は12台のCO2測定器を設置し、換気の状況を計測した。図1に設置場所、図2、3に1月13日(Day 1:Tip off 19:00)、14日(Day 2:Tip off 19:15)での測定場所を示す。

調査結果からは、場内の観客数が増加するに従いCO2濃度も上昇し、試合開始前後には一部の地点のCO2濃度は1,000ppm以上となることが確認された。CO2濃度は試合後半にかけて徐々に減少する傾向が確認されており、換気状況は良好であったと考えられる。また、1月13日(Day 1)はTip off時間より2時間前にCO2濃度が最も高い濃度が計測されているが、これは、16:25より開始したアリーナでのイベントのために来場者の多くが17:00台に着席していたためと考えられる。

さらに、今回の入場者数および関係者数と場内の体積、場内のCO2濃度の計測状況から場内の換気回数を概算したところ、1時間あたり1〜2.5回の換気が確保されていると計算された。これは、建築物における衛生的環境の確保に関する法律に定められた基準の換気量(1人あたり30m3/時間)を満たしている。

図1 CO2濃度測定場所

図2 1月13日(Day 1)のCO2濃度測定結果

図3 1月14日(Day 2)のCO2濃度測定結果

お問い合わせ先

国立研究開発法人 産業技術総合研究所
新型コロナウイルス感染リスク計測評価研究ラボ ラボ長
地圏資源環境研究部門 地圏化学研究グループ 研究グループ長
保高 徹生  E-mail:t.yasutaka*aist.go.jp(*を@に変更して使用してください。)

新型コロナウイルス感染リスク計測評価研究ラボ 副ラボ長
人工知能研究センター 社会知能研究チーム 研究チーム長
大西 正輝  E-mail:onishi-masaki*aist.go.jp(*を@に変更して使用してください。)

新型コロナウイルス感染リスク計測評価研究ラボ 副ラボ長
安全科学研究部門 リスク評価戦略グループ 研究グループ長
内藤 航  E-mail:w-naito*aist.go.jp(*を@に変更して使用してください。)