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領域長挨拶

領域長:田中 良夫(たなか よしお)

少子高齢化、エネルギー環境問題、国土強靭化、パンデミックなどの社会課題が深刻化するなか、情報技術はこれらの課題解決に必要不可欠なものとなっています。2020年度から開始した第5期中長期計画において、情報・人間工学領域では人工知能、人間拡張、サイバーフィジカルシステム、モビリティ、ヘルスケア、セキュリティ、デジタルアーキテクチャ等の技術課題を設定し、優れた研究成果を創出するとともに、その成果が社会課題解決や産業競争力強化につながるよう、民間企業等との連携体制を強化しながら研究開発に取り組んでいます。

情報・人間工学領域の特徴の1つは、情報学と人間工学にまたがる研究領域をカバーしていることにあります。多くの製品やサービスにおいて、「人が安心して利用できる」、「人がどのように製品やサービスを利用しているか適切に評価できる」、「人の行動変容を促す」など、人に対するインタフェースが重要となる場面があります。情報学と人間工学を融合させた我々の研究開発の成果は、これらの製品やサービスの価値向上の鍵になると考えています。

情報・人間工学領域は、フィジカル空間(現実世界)とサイバー空間(仮想世界)との間でデータを循環させるサイバーフィジカルシステムの構築・活用に関する研究開発を行っています。社会構造全体を見据えたデジタルアーキテクチャに基づいてサイバーフィジカルシステムの設計を行い、システムのプロトタイプを構築し、企業と社会実装に向けて連携することで、社会課題の解決につなげたいと思います。

我々は、産総研がイノベーションハブとなり、研究成果が迅速に社会実装につながるように研究開発を進めます。具体的には、産業や地域、サービス等によって分けられたデータ間の連携を可能にする「共通プラットフォームクラウド」を構築し、共通プラットフォームクラウド上で、基礎研究から政府系プロジェクト・企業との共同研究に至るまでの様々な研究を企業や大学・公的機関と連携して実施します。このクラウドを社会の中で運用し、スマートシティ、生産性向上、モビリティやヘルスケアなどの社会課題の解決に繋げることにより、情報・人間工学の技術・研究開発を基盤とするイノベーション・エコシステムの形成を目指します 。

皆様のご理解とご支援をお願い申し上げます。

国立研究開発法人産業技術総合研究所
情報・人間工学領域長
田中 良夫


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