Theme個別研究課題

レーザー転写によるオンデマンド異材積層技術

  • レーザー転写による異材積層技術の展開
  • Siウェハ上に転写堆積したFeSi2マイクロ/ナノドットアレイ
  • 転写したタンパク質担持アパタイトチップ(右)、細胞接着性を確認
研究のキーワード

レーザー転写、異材積層、マイクロ/ナノドット、タンパク質、アパタイト、マイクロチップ、細胞接着性

研究の目的

レーザー光を材料に瞬間的に照射すると、過渡的/局所的に高温高圧場が形成される結果、材料のレーザーアブレーション(蒸発)などの現象が誘起されます。このレーザー誘起現象を巧みに利用し物質を別基材上に転写して異材積層できる技術が“レーザー転写”です。レーザー転写によれば、他技術では難しいナノ/マイクロドットやタンパク質など幅広い物質を、大気圧化でオンデマンド(=狙った場所に)堆積することができます。

研究の成果

我々はこれまでに、他大学の研究者や産総研の生体材料研究者と協力し、どこまで小さいナノ粒子を描画できるのか、活性の高いタンパク質担持材料を患部にデリバリーできるのか他技術では難しい研究テーマにも挑戦してきました。その結果、金や白金、シリサイド、透明導電酸化物などの金属・半導体・酸化物といった多様な物質のマイクロ/ナノドットの転写による異材積層を実現しています。また高い細胞接着性を有するタンパク質(フィブロネクチン)を担持させたアパタイト生体材料を原料とし、そのレーザー転写により、象牙質ブロック(ヒトの歯由来)上にタンパク質担持アパタイトマイクロチップを転写し、優れた細胞接着性を保持できることを基礎実証しています。