Theme個別研究課題

ペロブスカイト太陽電池のレーザースクライブ

  • 超短パルスレーザースクライブによるペロブスカイト太陽電池のモジュール化
研究のキーワード

ペロブスカイト太陽電池、大面積モジュール化技術、超短パルスレーザースクライブ、非熱的アブレーション

研究の目的

ペロブスカイト太陽電池(PSC)は、低照度でも発電でき、曲げに強くフィルム基材で軽量化できるため、これまで設置できなかった場所にも太陽光発電を拡張できる新しい太陽電池として期待されています。その社会実装には、基板上で電池を直列接続することで直列抵抗損失を抑制し、コスト削減できる大面積モジュール化が重要であり、レーザースクライブなどレーザー加工技術開発が進められています。スクライブは、透明電極のパターニング(P1)、正孔輸送層/ペロブスカイト層/電子輸送層のパターニング(P2)、裏面電極のパターニング(P3)から成り、高効率・高耐久化に向け、発電に寄与しないデッドエリア(P1~P3)の最小化や、電池を劣化させない技術が求められています。

研究の成果

我々は、独自技術によりレーザーパルス幅を複数波長で広域に連続可変できるレーザースクライブ装置を開発しました。これにより、超短レーザーパルスにより材料への熱影響を低減した非熱的アブレーションと、多光子励起過程のため重要なプロセスパラメータであるレーザーパルス幅の詳細な最適化を実現できます。近赤外レーザー光に加え、グリーン光においてもパルス幅をフェムト秒からピコ秒まで広域に変化できる点が特長です。系統的にP1/P2/P3パラメータを検討して得られる最適化条件で、PSCモジュールを作製、電池評価を進めています。本成果は、NEDO グリーンイノベーション基金事業/次世代型太陽電池の開発プロジェクトにおいて得られたものです。

問い合わせ先

レーザー加工フロンティア研究グループ
奈良崎 愛子