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温度制御型マイクロ波照射による細胞外小胞の分泌促進

小高陽樹主任研究員、清水弘樹主任研究員、舘野浩章統括研究主幹らは、四国計測工業株式会社との共同研究により、温度制御型マイクロ波照射がHEK293T細胞からの細胞外小胞(extracellular vesicles: EV)分泌を促進することを明らかにしました。

EVは、疾患バイオマーカー探索、再生医療、ドラッグデリバリー、美容・ヘルスケア分野など、幅広い応用が期待される次世代バイオ素材です。一方で、培養細胞から得られるEV量は限られており、EVの解析・製造・品質評価を進めるうえで、生産性を高める技術の開発が重要な課題となっています。これまでに、マイクロ波照射によって細胞由来粒子の放出が促進されることが報告されていますが、従来のマイクロ波照射では温度上昇による細胞障害が課題となっていました[1]。本研究では、温度制御可能なマイクロ波照射装置を用い、培養液温度を37℃に維持しながらマイクロ波を照射することで、細胞へのダメージを抑えつつEV分泌を促進できるかを検証しました。その結果、EV生産に広く用いられるHEK293T細胞において、細胞生存性を損なうことなく、EV分泌量を約2〜3倍に増加させることを確認しました。また、得られたEVについて、粒子径分布、タンパク質プロファイル、miRNAプロファイルに顕著な変化は認められず、EVの基本的な分子的特徴が保持されていることが示されました。

本技術は、EV製造プロセスの効率化に向けた新たな生産支援技術として期待されます。今後、さまざまな細胞種や培養スケールへの展開を進めることで、診断、創薬、再生医療、ヘルスケア分野におけるEV利活用の加速に貢献する可能性があります。

温度制御型マイクロ波(MW)照射のEV分泌への影響

>温度制御型マイクロ波(MW)照射のEV分泌への影響

投稿論文

  • 掲載誌:Biochemistry and Biophysics Reports (2026年5月2日オンライン公開)
  • 論文タイトル:TEMIS: A temperature-controlled microwave irradiation system for enhancing extracellular vesicle secretion.
  • 著者:Haruki Odaka, Sho Nakazora, Hirofumi Soga, Hiroki Shimizu, Hiroaki Tateno*(* corresponding author)
  • 参考文献

      [1] Wu et al. Tumour-derived microparticles obtained through microwave irradiation induce immunogenic cell death in lung adenocarcinoma. Nat. Nanotechnol., 20, 2025. doi:10.1038/s41565-025-01922-3

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