微生物によるタンパク質生産効率向上の新技術を開発
名大・産総研・早大の研究グループは、これまで、特定の短いペプチド配列がタンパク質の翻訳を促進し、リボソームの停滞を軽減できることを報告してきました。この知見をもとに、人工的にランダム化したペプチドライブラリーを用いて、リボソームの停滞(ribosome stalling)を抑制するペプチドを探索し、新たな翻訳促進ペプチド(Translation-Enhancing Peptides:TEPs)注5)を多数発見しました。これらのTEPsはそれぞれ異なる強度で翻訳を促進し、タンパク質生産効率を向上させることが明らかになりました。
さらに、機械学習を用いたAIモデルを構築し、ペプチド配列から翻訳促進活性を予測することに成功しました。このAIモデルは実験値と高い相関を示し、目的のタンパク質に適した配列を合理的に設計できる手法として応用可能であることを示しました。
※詳細は図下のプレスリリースをご覧ください。
短いペプチド配列を利用してタンパク質生産効率を高める新たなアプローチ
- 論文タイトル:Screening and machine learning‒based prediction of translation-enhancing peptides that reduce ribosomal stalling in Escherichia coli
- 掲載誌:RSC Chemical Biology
- 著者:Teruyo Ojima-Kato, Gentaro Yokoyama , Hideo Nakano , Michiaki Hamada and Chie Motono

プレスリリース
共同研究機関
- 名古屋大学大学院生命農学研究科、早稲田大学理工学術院