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卵子の発生過程を蛍光イメージングで解き明かす

 受精卵が母親の胎内で成長する期間、雌の胎児の内で、将来卵子になる生殖細胞が発生する。生殖細胞はその発生過程で初期化され、受精後、体のあらゆる細胞に分化して完全な個体を形成する全能性を獲得する。この初期化過程では、「X染色体の再活性化」が起こることが知られているが、胎児の体内環境において、いつ、どこで「X染色体の再活性化」が起こるか、詳細は不明であった。原本悦和1、坂田美乃1、小林慎2(1,多細胞システム制御研究グループ、2, 動的創薬モダリティ研究グループ)による共同研究グループは、生殖細胞発生過程に注目し、「X染色体の再活性化」が、起こるタイミングと場所を、独自に開発したMomiji マウスシステムを用いてイメージングで捉えることに、世界で初めて成功した。

 この成果は、生殖細胞が体内で発生する重要な過程の一端を明らかにしたものである。

概念図

投稿論文

  • 論文タイトル:Visualization of X chromosome reactivation in mouse primordial germ cells in vivo
  • 著 者:Yoshikazu Haramoto, Mino Sakata, Shin Kobayashi* (* corresponding author)
  • 雑誌:Biol Open. 10(4), (2021)
  • DOI:10.1242/bio.058602

参考

論文は注目記事に選ばれ、筆頭著者である原本悦和主任研究員のインタビュー記事が、Biology Openの“First Person”に掲載された。
URL:https://journals.biologists.com/bio/article/10/4/bio058759/261691/First-person-Yoshikazu-Haramoto

小林慎主任研究員の研究紹介のページ
URL:http://staff.aist.go.jp/kobayashi.shin/

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