本文へ

新型コロナウイルスのスパイクタンパク質はコンドロイチン硫酸Eに結合する

 最近、グリコサミノグリカンの一種であるヘパラン硫酸が新型コロナウイルスの感染を促進する接着分子であることが報告された。そこで20種類のGAGをスライドグラス上に配列させたグリコサミノグリカンアレイを開発し、新型コロナウイルス・スパイクタンパク質の糖鎖結合特異性を解析した。スパイクタンパク質はヘパリン/ヘパラン硫酸に加え、コンドロイチン硫酸Eにも結合することがわかった。ACE2受容体と相互作用するS1サブユニットはヘパリンに選択的に結合した一方、S2サブユニットはヘパリン/ヘパラン硫酸に加え、コンドロイチン硫酸Eにも強く結合した。ヘパラン硫酸に加えてコンドロイチン硫酸Eも新型コロナウイルスの感染において接着因子として機能する可能性が示された。
 本研究は生化学工業株式会社との共同研究により得られた成果である。

新型コロナウイルス・スパイクタンパク質はコンドロイチン硫酸Eに結合する

概念図

共同研究機関

  • 生化学工業株式会社

投稿論文

  • 論文タイトル:A glycosaminoglycan microarray identifies the binding of SARS-CoV-2 spike protein to chondroitin sulfate E
  • 著 者:渡邊 朋子、武田 晃、比江森 恵子、南澤 俊和、舘野 浩章
  • 雑誌:FEBS Lett. 2021 Aug 10.
  • DOI:10.1002/1873-3468.14173.

▲ ページトップへ