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老化に伴う心臓組織糖鎖の時空間的変化の解明

 東京都健康長寿医療センター研究所 老年病態研究チーム(心血管老化再生医学テーマ)の板倉陽子研究員、豊田雅士研究副部長、および産総研 細胞分子工学研究部門 分子細胞マルチオミクス研究グループの岡谷千晶主任研究員、久野敦研究グループ長らの研究グループは、加齢に伴う心臓組織の状態把握の指標となる、糖鎖の時空間的変化を明らかにしました。

 本研究では、レーザーマイクロダイセクションとレクチンアレイを組合せた組織糖鎖プロファイリング技術(Nagai-Okatani et al. Methods Mol Biol, 2022)を用い、世代の異なる健常マウスの心臓について、時空間的な糖鎖変化を解析しました。その結果、心臓組織内の領域ごとに糖鎖のバラエティや加齢に伴う糖鎖変化が領域ごとに異なることが示されました。今後は、変化の見られた糖鎖構造の機能的役割や、ヒトとマウスにおける糖鎖変化の相関および疾患との関連性の解明を目指します。

 本研究において取得した組織糖鎖プロファイリングデータおよび組織画像は、日本糖質学会公式の糖鎖科学ポータルGlyCosmos Portal内のデータベース「LM-GlycomeAtlas」で公開しています。

産総研が開発した組織糖鎖プロファイリング法(上)および明らかになった糖鎖変化(下)

LM-GlycoAtlas

投稿論文

  • 論文タイトル:patiotemporal changes of tissue glycans depending on localization in cardiac aging
  • 著 者:Yoko Itakura et al.
  • Regenerative Therapy 22: 68-78 (2023)
  • DOI:10.1016/j.reth.2022.12.009

共同研究機関

  • 東京都健康長寿医療センター研究所、北里大学、東京薬科大学

本論文の紹介(東京都健康長寿医療センター研究所HP)

組織糖鎖プロファイリングデータベース

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