マイクロニードルアレイを用いた植物のゲノム編集

ニードルアレイ技術をさらに応用し、茎頂分裂組織のL2層へのタンパク質の導入によるin plantaゲノム編集法を開発しました。
植物の固い細胞壁を突破するために太さをマイクロメートルオーダーに引き上げたマイクロニードルアレイを新規に開発しました。

シロイヌナズナ茎頂分裂組織

茎頂分裂組織のL2層に到達するためには少なくとも40 µm以上の長さが必要です。

マイクロニードルアレイのSEM像

新規に開発した平櫛形のマイクロニードルアレイは、シロイヌナズナ葉組織およびダイズ茎頂分裂組織に破損することなく100%挿入可能です。

マイクロニードルアレイによるタンパク質導入

実体顕微鏡ベースで動作する装置と導入法を新たに開発しました。
特願2020-053154「マイクロニードルアレイ及びそれを用いた植物細胞への物質導入方法」

Cas9/gRNAの導入によるシロイヌナズナレポーターのGUS発現

Cas9をはじめとするゲノム編集タンパク質を直接導入することで、ゲノム編集が可能であることを示しました。遺伝子発現系が確立されていない植物種、植物組織でもゲノム編集が可能になると期待されます。

本成果は、2019-2020 NEDO植物等の生物を用いた高機能品生産技術の開発によるものです。