走査電子顕微鏡(SEM)とエネルギー分散型X線分析(SEM-EDX)による異物分析

事例No.

OK-0037

概要

高分子材料に限らず、製品中に混入した異物はトラブルの元となります。しかしながら、異物を完全に無くすことは困難です。異物によるトラブル防止のためには、この異物がどのような物であるかを知る必要があります。走査電子顕微鏡(SEM)観察とそのSEM像の視野・倍率での元素組成分析は、この異物を詳細に知るための手がかりを与えてくれます。そこで、異物の断面試料を作製し、二次電子像と反射電子像による構造観察、SEM-EDX分析を行いました。

お困りごと・要望

異物の成分を知りたい
異物を拡大観察したい

事例提供機関

サンプル

ゴム製品中の異物

分析方法

実体顕微鏡下でカミソリ刃を用いて異物断面を作製し、SEM観察とSEM-EDX分析を行いました。

分析結果

SEMで反射電子組成像を撮影したところ、異物の大半は正常部より暗く、SEM-EDXではCとOが検出されたことから、異物本体は有機物と推察されます。
異物断面の外周部は反射電子像では明るいコントラストとなっており、C、Oより重い元素が存在しています。断面の外周部を拡大すると粒径の小さい粒子が観察されました。EDXマッピングでは、断面の外周部に沿ってZnが検出されました。
以上から、異物は本体がCとOを含む有機物、表面はZnを含む粒子で構成されていると考えられます。

関連装置

適用可能な材料

樹脂・ゴム一般