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【Clayteamリリース】世界最高の水素バリア性と不燃性を付与するコーティング材料の開発に成功

 

 

《 タイトル 》世界最高の水素バリア性と不燃性を付与するコーティング材料

 

《 発表・掲載日 》 平成24年10月24日


《 成果元 》 産業技術総合研究所、株式会社宮城化成

 

《 ポイント 》
・ 粘土と有機バインダーを混合した水/アルコール系ペースト

  •   プラスチック表面へのスプレーコーティングが可能
  •   従来の粘土膜を超える水素バリア性に加え、加熱処理によって水蒸気バリア性も付与可能

・ 不燃性の付与可能
・ 二か月以内の国内外への販売開始を見込む

 

《 概 要 》
独立行政法人 産業技術研究所【理事長 野間口 有】(以下「産総研」という)コンパクト化学システム研究センター【センター長 花岡 隆昌】の蛯名 武雄先進機能材料チーム長の研究グループは、株式会社宮城化成【代表取締役 小山昭彦】(以下「宮城化成」という)と共同で、産総研が持つ粘土膜クレーストⓇと宮城化成が持つプラスチック成形技術を融合させることにより、新規コーティング材料の開発に成功した。
今回開発した新規コーティング材料は、加熱により耐水化する特殊粘土と、アルコール可溶性耐熱プラスチックを均一混合した水/アルコール系ペーストであり、粘性の調整が可能であり、ソリューションキャスティングによる自立膜の製膜の他、スプレーコーティングにも対応している。このペーストから作製した自立膜の水素バリア性は、従来の粘土膜のものを上回り、世界最高を更新している。この膜は乾燥するだけで、耐水性を獲得し、従来の粘土膜の耐水性の低さの問題を解決している。さらに、200℃程度の加熱処理によって高い水蒸気バリア性も付与可能である。このペーストを用いたコーティング膜によって、プラスチック材料の不燃性を向上できることも確認されている。
宮城化成は製造技術や一層の性能評価を進め、二か月以内に国内外への販売開始を目指している。
今回開発されたコーティング材料は、建築、鉄道・自動車などの車両用途に加え、航空・宇宙、エネルギーなど広範な分野で利用が期待される。本研究成果は、2012年10月25・26日、茨城県つくば市で開催される「産総研オープンラボ」で公開される他、11月13日、東京都江東区で開催されるThe 3rd International Symposium on Advanced Composite Materialsで発表される。
本成果の一部は、平成23 年度戦略的基盤技術高度化支援事業「不燃透明複合材とそれを用いた照明カバーの製造技術の開発」により得られたものである。