標準マイクロホン(低周波域):音圧感度

近年,人間には音として聞こえない,20 Hz以下の周波数帯域(超低周波音)による不快感に関連する苦情が増加しています. 当研究グループでは,この周波数帯に対応するため1 Hzから20 Hzの周波数帯域を対象としたマイクロホン音圧感度校正依頼試験を2011年度に開始しました. 一般に可聴域で用いられる「カプラ校正法」の場合,低周波帯域では,SN比が低下して精度の良い測定が困難です.そこで, 代替法としてレーザピストンホンと呼ばれる装置を用いて測定します.これは,加振器に取り付けたピストンを振動させることで, カプラ内に大きな音圧を発生させることができる装置です.マイケルソン干渉計で測定したピストン振動の振幅を, 音圧レベルに換算できます.この結果と,マイクロホンの出力電圧の測定値の比から,音圧感度レベルを校正することができます.

 

校正の種類  音圧感度
校正器物 標準マイクロホン
校正範囲 I型マイクロホン:1 Hz~20 Hz
最高測定能力
(k = 2)
0.2 dB : 1 Hz ≤ f ≤ 2 Hz
0.1 dB : 2 Hz < f ≤ 20 Hz
校正方法 レーザピストンホンによる音圧絶対校正

 

2021年12月16日|分野:acoust