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装置の説明

☆4MVペレトロン加速器
☆300kVコッククロフト・ウォルトン加速器
☆黒鉛パイル
☆マンガンバス
☆反跳陽子比例計数管
☆Thick Radiator検出器
☆ロングカウンター
☆重水球
☆反跳陽子テレスコープ

☆4MVペレトロン加速器

米国nec社製ペレトロン加速器。ヴァン・デ・グラーフ型静電加速器の一種で、電荷運搬のため通常のゴムベルトではなく金属ペレットをナイロンでつなぎ合わせたチェーンを用いているのが特徴である。ペレットチェーンを用いることによりタンク内のダストの発生を最小限に抑えることができ、高電圧を安定的に作ることができる。イオン源は、デュオプラズマトロンイオン源を用いている。イオン源と加速管の間には、速度弁別器、アインツェルレンズ、ギャップレンズ、パルス化装置(現在使用休止中)が設けられている。最大加速電圧は4MV(実際の利用は3.5MV以下)、最小加速電圧は1MV、最大ビーム電流は100μA(実際の利用は10μA程度である。加速粒子は、p,d,Heの3種類。

加速器内部の全体図。通常はSF6絶縁ガスでタンク内を満たしています。

デュオ・プラズマトロンイオン源部分の写真。

☆300kVコッククロフト・ウォルトン加速器

静電加速器の1種である。低エネルギーの粒子加速に用いられる。加速電圧は、その名のとおりコッククロフト回路によって作られる。ビーム電流は、ターゲットで10μA。加速電圧は通常230kVを利用している。イオン源として、ペレトロン加速器と同タイプのデュオ・プラズマトロンイオン源を搭載している。現在利用はしていないが、RFイオン源も搭載している。加速粒子は、p,dの2種類。

コッククロフト加速器全体の写真。奥に写っている部分が、高電圧発生の部分。

☆黒鉛パイル

Am-Beや252Cfの速中性子線源から熱中性子を生成するための黒鉛減速材の塊である。黒鉛は中性子の吸収も少なく、当初原子炉でも利用されていたほど良い減速材である。産総研の黒鉛パイルは高純度黒鉛を利用しており、大きさは190cm×190cm×230cmある。

黒鉛パイルの写真

☆マンガンバス

中性子線源の放出率の絶対測定が可能な装置である。世界の大きな標準研究所にされている程度の珍しいものである。チェンバーの中に硫化マンガンを満たし、常に均一な状態にするように攪拌しておく。そして、チェンバーの中心に中性子線源を設置し、マンガンの放射化量を測定することによって、中性子放出率を求める。現在、一時運用停止中。

マンガンバスの写真

☆反跳陽子比例計数管

144keV、565keV中性子絶対測定用の比例計数管。比例計数管は、0.5mm厚の鉄のチェンバーで出来ており、75.2mm直径、330mm長さである。ガスの成分は、955.5hPa:H2+34.7h、Pa:CH4である。比例計数管による測定とモンテカルロシミュレーションによって計算された応答関数との比較によって最終的に絶対中性子フルエンスを導出する。

反跳陽子比例計数管の写真

セットアップの写真

☆Thick Radiator検出器

5.0MeV中性子絶対測定用の検出器。空乏層厚300μmの表面障壁型シリコン半導体検出器に1mm厚のポリエチレン膜を取り付けることにより、中性子を計測する。測定とモンテカルロシミュレーションによって計算された応答関数との比較によって最終的に絶対中性子フルエンスを導出する。

Thick Radiatorの写真

セットアップの写真

☆ロングカウンター

keV〜MeV中性子をモニターするための中性子検出器。ロングカウンターはWorking Standard(すなわち、通常の校正を行うために用いる検出器)として利用している。ポリエチレン減速体の中心にBF3比例計数管を置いた検出器で、keV〜MeV中性子エネルギー領域で検出効率がフラットに近い形をしており、中性子モニターを行うのに適している。

標準校正に用いているロングカウンター(PLC)の写真

モニター用ロングカウンター(LLC)の写真

☆重水球

重水減速Cf中性子フルエンスを供給する際に使用する重水減速球。直径30cmのステンレス殻を0.5mm厚のCdシートで覆った構造になっている。この球の中心にX1カプセルのCf-252線源がセットできる。

重水球の写真

☆反跳陽子テレスコープ

20MeV以上の高エネルギー中性子フルエンスの絶対測定を行うための検出器。検出器は、Si半導体検出器(有感領域60mm直径、空乏層厚0.5mm)と液体シンチレータ(3インチ直径×3インチ長)の組み合わせによって構成されているΔE-Eタイプである。Si検出器と液体シンチレータの間には、アルミ製のコリメータが取り付けられている。ビーム軸上にポリエチレンラジエータが設置され、検出部がビーム軸に対して10度の位置で、かつ中性子ビームから外れた位置に設置される。検出効率は、MCNPXによって計算される。

反跳陽子テレスコープの検出部の写真




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