中性子標準は、原子力、医療、その他の産業における中性子利用の分野や中性子使用者の安全確保の点で大きく貢献するものです。産業技術総合研究所では、熱領域から20MeVまでの全てエネルギー領域について中性子標準の確立を目指しています。すでに、熱中性子フルエンス率、252Cfの中性子放出率、エネルギー点144keV、565keV、5.0MeV、14.8MeVの中性子フルエンスについては国際比較に参加し、国際的な信頼性と同等性を確保してきており、供給を開始しています。2004年にはISO17025を取得しました。現在は、供給できていないエネルギー領域を補完するべく中性子フルエンス標準を整備中です。標準として確立していないエネルギー点につきましても、共同研究・受託研究等により、測定の不確かさは少し悪くなりますが、中性子照射、測定に対応することが可能です。
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