応用ナノ計測研究グループ

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2024年4月5日更新

研究グループの概要

AIST

応用ナノ計測研究グループでは、次世代産業の中核を担う基盤材料として期待されているナノ材料などの開発において、基盤技術となる計測・分析技術の新規開発を行っています。また、生体診断や環境モニタリング技術の開発とその応用に向けた展開を進めています。

研究内容

1. 質量分析法の開発とナノ計測への応用

MSによる有機構造解析技術

質量分析法では、分析対象物質の(1)気相イオンの生成(2)気相イオンの分離と分解(3)各々の気相イオンの検出から、化学種の同定と解析を行います。当グループでは、タンパク質などの生体高分子を含む有機分子において、気相イオンの新規ラジカル分解過程を利用した質量分析による構造解析法の開発を進めています。(図は有機化合物の構造解析技術に基づく質量スペクトル)


2. 光波面制御と量子模倣技術による高分解能散乱イメージング技術の開発

光イメージング装置

光の干渉性を利用した深部イメージング技術の研究開発とその生体診断技術への応用を進めています。波動である光の波面制御や光の量子論的挙動を古典光で実現する量子模倣技術の開発により、生体組織などの散乱媒質内部を高分解能でイメージングする新しい原理の確立を目指します。(図はスペクトル強度干渉断層イメージング装置)


3. 陽電子消滅による材料の欠陥・空隙の分析・評価技術の開発

陽電子装置

陽電子は電子の反粒子で正電荷を有し、電子と衝突すると対消滅しγ線を放出します。当部門ではこの現象を利用して、原子が欠けた空孔や微細空隙の分布を可視化して、先端材料の空孔・空隙評価技術として活用する研究開発とその応用を進めています。(図は陽電子プローブマイクロアナライザー装置)