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ご挨拶


   
ラボ長
民谷 栄一 Eiichi Tamiya


 2017年1月に設置された阪大―産総研OILは、当初の設置期限であった2022年1月から延長され、2025年3月までの第2期が開始されました。1期の5年間では、既存の計測限界を超えるバイオセンシングシステムの開発と産官学連携により社会実証と実装、デファクト化を目指し、実験室、居室、橋渡し連携室、医工連携室を大阪大学フォトニクスセンター内に集中整備しました。特に大学キャンパス内にOIL拠点があるため、連携する大学研究者とのアクセスが容易となり、研究が効率的に進み、学術的な成果としてnature姉妹誌などにも掲載され、インパクトの高い研究発表も多く行われました。このように大学との連携による相乗効果を顕著に得ることができました。産業創出への貢献としては、民間企業との共同研究や公的資金などを順調に獲得できました。特に、マイクロ流路型遺伝子定量装置については、事業化から実用化を達成し、新型コロナ迅速診断装置としての認知もされ、その社会貢献は大きいです。産業界からのニーズを広く入手し、本拠点の成果を発信する場として産総研コンソーシアムを活用したフォトライフ協議会をOIL設置当初から組織しました。現在、異業種(電機、光、材料、製薬、医療機器など)のものつくり企業を中心に15社加入しており、オープンからクローズへと進めるイノベーションを支援しています。すでにワークショップ17回開催, Newsletter 8回発行しました。一部の参画企業とは共同研究にも進展しました。一方、本OIL拠点では、産総研の有するRA制度を活用して大学院学生を支援しています。経済的な支援のみならず、各種セミナー、全体会議(成果発表)、グループ会議、安全衛生会議などを通じてさらなる見識を高めることにより、博士進学者の増加にも貢献しました。このことは大学関係者からも高く評価されています。これから進める2期においては、阪大医学部/病院との医工連携を中心とした社会実装や産総研―阪大共創エコシステムの構築を計画しています。2022年4月からJST共創の場形成支援プログラム(COI-NEXT)の本格型に採択された「フォトニクス生命工学研究開発拠点」(藤田克昌プロジェクトリーダー)では、本OIL拠点は主要な参画機関であり、医工連携を中心として社会課題を解決していく所存です。さらに、在宅などからの医療アクセスを容易にするメディカルネットワーク構築に向けたデジタルヘルス機器開発や創薬支援などのための組織・臓器機能デバイス開発などについても進めて参ります。





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