光モニタリング技術研究チーム
研究の背景と目的
研究チームの研究課題または研究成果など
1.光ファイバセンシング
老朽化するインフラの効率的なモニタリングのために、 kmオーダーの長距離をセンサ部への電源供給無しで数千ポイントの位置分解が可能な分布型光ファイバセンサを開発しています。
2.サンプリングモアレ法による橋のたわみ計測
規則模様のモアレマーカとデジタルカメラを用いて、サンプリングモアレ法による橋梁などのインフラ構造物の変位計測に関する研究を開発しています。 インフラ構造物の正対方向・橋下方向・橋軸方向からミリオーダーの微小変位を測定できます。 最近ではドローン空撮による橋のたわみ計測を行っており、今後ダムやトンネルの長期モニタリングにも応用していく計画です。
3.可変モアレパターンを活用した高精度画像計測技術
マイクロレンズアレイと微細周期パターンを重ね合わせた際に生じるモアレ(干渉縞)を活用し、2種類の画像計測ツールを開発しています。
高精度マーカ:単一のカメラでID番号の認識と3次元の位置・姿勢計測が可能な平面パターンです。 視点に応じて移動するモアレを利用することで、位置誤差0.2%、姿勢誤差0.5度未満の高精度計測を実現しています。 ロボット制御、測位、拡張現実、各種計測分野など、幅広い応用と社会実装を推進しています。
微小変位可視化センサ:レンズとパターン間のわずかなずれに応じて大きく変化するモアレを利用し、 2点(2面)間の微小な並進・回転変位を可視化するセンサです。 数十μmレベルの変位を目視で確認できます。 橋梁などの大型インフラ構造物の接合部に本センサを多数配置し、ドローンによる定期巡回観測と組み合わせることで、 「多点・長期インフラモニタリング」の実現を目指しています。 現在、センサの製造技術およびドローンカメラによる定量的な変位計測技術を開発中です。
4.コンクリートの劣化計測
鉄筋コンクリート構造物は一般に50〜100年程度の寿命を持つとされていますが、日本では現在まさに更新・補修の時期を迎えています。 老朽化の進行を適切に把握し、効率的な維持管理を行うことが重要な課題となっています。 本研究では、近赤外光を利用し、対象に接触することなく遠隔から構造物の劣化状態を簡便に評価できる新しいモニタリング技術の開発に取り組んでいます。 従来の点検手法では、人手による目視や打音検査が中心であり、時間やコストの面で課題がありましたが、 本技術により広範囲を迅速に評価することが可能となります。
検出可能な主な劣化要因
塩害:海岸近傍の構造物において、塩分の浸入により鉄筋腐食が進行する現象
硫酸劣化:下水道施設や温泉地周辺において、硫酸によってコンクリートが侵食される現象
中性化:大気中の二酸化炭素の影響によりコンクリートのアルカリ性が低下し、鉄筋腐食が促進される現象
これらの劣化を非破壊かつ遠隔で検出することで、インフラの長寿命化と維持管理の効率化に貢献することを目指しています。
5.超音波によるインフラ構造物の非破壊評価
橋梁や海洋構造物、配管、輸送機などにおいては、内部き裂や腐食、剥離といった目視では確認できない損傷の早期検出および定期点検が重要です。 本研究では、レーザー超音波や空中・水中超音波などの各種超音波計測手法とAIを組み合わせ、 係留チェーンや航空機用CFRP構造物の内部欠陥を迅速かつ高精度に検出する技術開発と社会実装に取り組んでいます。
6.レーザー干渉法によるインフラ用高機能材料の精密評価
橋梁やトンネル、道路などの社会インフラの長寿命化や積雪対策に向けて、 防食・防汚・高反射などの機能を有する新しいコーティング材料の開発が進んでいます。 本研究では、レーザー干渉技術を基盤とし、これらの材料における温度や応力に起因する表面状態の変化を、 ナノ〜マイクロメートルスケールで高精度かつ定量的に評価します。 本技術により、インフラ用コーティング材料の研究開発において、非破壊・非接触による高精度計測を実現し、材料開発の加速に貢献します。
構成メンバー
| 研究チーム長 | 古川 祐光 |
|---|---|
| 田中 秀幸 | |
| 寺澤 英知 | |
| 小池 健 | |
| 夏 鵬 | |
| 穀山 渉 | |
| 李 志遠 | |
| 田中 碧海 | |
| 大川 洋平 | |
| 野田 康平 | |
| 渡部 愛理 | |
| 湊 翔平(兼務) | |
| 寺崎 正(兼務) |