伊豆大島火山地中温度モニタリング
伊豆大島火山の地中温度モニタリングの概要
はじめに
伊豆大島では1986年の噴火以降30年以上経過し、次の噴火への対応を強化するべき段階にあるといえます。 産業技術総合研究所では、火山ガス等の火山性流体の移動を連続的に観測することによって噴火予知技術の高度化を目指す研究に取り組んでおり、 その一環として、伊豆大島を対象とした火山活動のシミュレーションを実施し、マグマの上昇とそれに伴う火山性流体の挙動を予測する研究を進めています。 本観測は、流体の流動に伴うであろう地中温度の変化を観測するもので、火山性流体の流動様式を把握するための基本データとなると考えられます。 本観測を実施することにより、シミュレーションの精度向上につながり、噴火予知技術の向上に貢献することを期待しています。
観測点
観測点は1986年噴火の際に形成された三原山頂部のB火口脇と櫛形山麓の2か所にあります(図1)。いずれの場所も周辺に噴気が認められるものの、 表面に熱的兆候は見られません。B火口脇は、ch1~ch4の4カ所からなり、いずれも深さ50cmの深度における温度を測定しています。 櫛形山麓はch6~ch9の4カ所からなり、いずれも深さ25cmの深度における温度を測定しています。測定には熱電対を用い30分間隔で記録しています。
櫛形山山麓の2カ所に分布する。地理院タイルに観測点を追記して掲載