深部流体研究グループ

西別岳から望む摩周カルデラ

グループ概要

深部流体グループでは,日本列島の地下深部から湧き上がる流体の成因・流動状態を解明するため,地下水,温泉水,温泉ガス,火山岩などの地球化学的な調査や,鉱物脈・流体包有物などの調査を行っています。海洋プレート内の間隙水や含水鉱物として存在する水は,沈み込みとともに排出され,日本列島の地下深部に供給されています。「深部流体」とは,この海洋プレートに由来し,深部から上昇してくる水を指します。

深部流体は,マントル物質の溶融を引き起こしマグマとともに上昇したり,非火山地域においては,マグマを介さずに多量のガスを含んだ高塩分濃度の水として断層や構造線を通して表層付近まで上昇したりします。温泉の中には,この深部流体が含まれているものもあります。深部流体研究グループでは,温泉水などの化学分析より,この地表付近まで上昇してきた深部流体を検出し,どのような場所で表層付近までこの流体が上昇しているかを研究しています。

温泉水に含まれる深部流体を検出するにはさまざまな化学成分の濃度・同位体の測定が必要です。深部流体研究グループでは,日本全国の温泉や地下水の主要溶存イオン,水の水素・酸素同位体,炭素同位体,希ガス同位体や,ヨウ素・臭素などのハロゲン元素,希土類元素などを精度良く分析し,膨大な温泉の化学データを整備しています。

また,深部流体は各種用水や地域の水環境を支える地下水とも関係しています。水循環の一部である地下水は一般に降水を起源としており,流動の過程で混合するなどして,温度や水質などの地下水の物理・化学性状に深部流体が影響を及ぼすことがあります。温泉も地下水の一つであり,地下水の多様性の理解は広域的な地下水流動の解明や大深度の地下空間の利活用において重要な知見となります。深部流体研究グループでは,多様な時間・空間スケールの深部流体・地下水の性状や起源,地下での挙動に関する研究の推進と成果の社会実装を通じて,地下水の保全・管理・活用にも貢献します。

沈み込み帯における深部流体の動き
沈み込み帯における深部流体の動き

調査風景

化学分析装置

最新情報 2025年度以降

アーカイブ,その他

メンバー

  • 森川 徳敏 Noritoshi Morikawa(グループ長)
  • 高橋 浩 Hiroshi Takahashi(主任研究員)
  • 東郷 洋子 Yoko Togo(主任研究員)
  • 中村 仁美 Hitomi Nakamura(上級主任研究員)
  • 宮越 昭暢 Akinobu Miyakoshi(主任研究員)
  • 戸崎 裕貴 Yuki Tosak(主任研究員)
  • 新谷 毅 Tsuyoshi Shintani(研究員)
  • 長谷川 未侑 Miyu Hasegawa(リサーチアシスタント)
  • 風早 康平 Kohei Kazahaya(招聘研究員)
  • 中村 有理 Yuri Nakamura(テクニカルスタッフ)
  • 清水 徹 Toru Shimizu(主任研究員(兼務))
  • 竹田 幹郎 Takeda Mikio(上級主任研究員(兼務))
  • 佐藤 努 Tsutomu Sato(主任研究員(兼務))

お問い合わせ

https://unit.aist.go.jp/ievg/contact.html

藻琴山から望む屈斜路カルデラ,雄阿寒岳,雌阿寒岳