
国立研究開発法人産業技術総合研究所
人間拡張研究センター
運動機能拡張研究チーム
EMOSy (EMOtional States measurement sYstem)は,絵文字(例えば,😀)を使った感情測定システムです。
EMOSyでは,スマートフォンやスマートウォッチなどのIoT端末上で自身の気分に合った絵文字を選択するだけで,その時の気分を簡単に記録できます。
また,絵文字を選択した時間や位置情報,心拍などのバイタル情報などを同時に記録できるため,「いつ・どこで・どんな時に・どんな気分になったか」を経時的に知ることができます。
EMOSyでは,延べ4000人以上に実施した絵文字の調査結果に基づく科学的な感情測定および分析が可能です。また,イベントの満足度やオフィス環境の評価など人の感情に関わる様々なシーンで幅広い年齢層の人に対して利用することができます。さらに,日本だけでなく異なる国や文化の人たちも同じものを使うことができます(ドイツ・韓国・スイスで展開予定※2024年12月現在)。もし感情以外の心理状態を測定したい場合は,リッカート尺度やカテゴリー選択などから測定することも可能です。
これまで日常生活中に感情を測定するためには,1日の中で繰り返し尺度や自由記述形式のアンケートへ回答する必要があり,感情の変動を詳細に捉えることは困難でした。そこで,絵文字の選択から感情を報告することで,容易に多くのデータを収集できるのではと考え,EMOSyの開発をスタートしました。
絵文字を利用する利点として1)直感的に感情を認識できること,2)言語に依存しないため年齢や文化などに影響を受けにくいこと,3)スマートフォンやスマートウォッチなどIoT端末の種類に関わらず実装しやすいことが挙げられます。しかし,絵文字を感情測定指標として利用できる科学的根拠は示されておりませんでした。
そこでEMOSyの開発にあたり,まず絵文字が人間の多様な感情と対応していること解明し,それぞれがどの程度異なるのか科学的に分析できるようにしたことにより,研究手法としての妥当性および信頼性を確認しました。
さらに,EMOSyは従来の感情変動測定法に比べ高い報告率で日常生活中の感情変動を記録できることが明らかになっています。
したがって,EMOSyは新たらしい感情測定のカタチとして人間の感情をより深く理解することを可能にします。
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