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2026.05.07

阿寒湖やまりもで有名な北海道阿寒カルデラは、火山活動が活発な地域です。カルデラ内には雌阿寒岳や雄阿寒岳といった活火山やボッケ群が数多く存在しています。特に、カルデラの中央部では、2016年から2017年にかけて顕著な地盤膨張が発生しました。また、深さ15~30 kmでは活火山の活動に対応すると思われる地震活動も観測されています。

比抵抗構造全体を見渡すと(図1)、阿寒カルデラは、
(1)カルデラ西側の深部マグマだまり
(2)カルデラ中央部の結晶に富むマグマだまり
(3)雌阿寒岳直下に分布するマグマ性の溶存ガス成分に富む流体貯留槽
からなる多層的な地下構造として統一的に解釈できました。阿寒カルデラの低比抵抗領域は、他の火山地域で見られる低比抵抗領域とは異なり、比較的浅い場所に大きな体積で広がっています。

本研究は、井上智裕研究員が北海道大学と九州大学に在籍していた時期(2020-2023年)に取得したMT法探査データを用いて論文化したものです。
一部、産総研が2013年と2014年に計測したデータも使用しております。

今詳細は北海道大学によるプレスリリースをご覧ください。
https://www.hokudai.ac.jp/news/pdf/260407_pr.pdf

掲載誌:Earth, Planets and Space
タイトル:Dense magnetotelluric imaging of the Akan Caldera (Hokkaido, Japan): insights into its magma plumbing system and caldera-forming reservoir
著者名:Tomohiro Inoue, Takeshi Hashimoto, Koki Aizawa, Hiroshi Ichihara, Ryo Tanaka, Yusuke Yamaya
DOI:10.1186/s40623-026-02398-8

メディア掲載

低比抵抗域全体の3次元イメージ図
図1:低比抵抗域全体の3次元イメージ。外側は10Ωm以下、内側は3Ωm以下の領域を示す。雌阿寒岳と雄阿寒岳の間の低比抵抗域が平らであり、推定板状圧力源モデルやカルデラの形と対応していることから、カルデラ形成に関わるマグマだまりの存在を提案した。