産総研G-QuAT 分子研大森グループ主宰「事業化検討プラットフォーム」に入会 ― 量子コンピュータ産業化を支援へ ―
発表・掲載日:2024年12月11日国立研究開発法人 産業技術総合研究所(以下、産総研)量子・AI融合技術ビジネス開発グローバル研究センター(茨城県つくば市/センター長:益一哉 以下、G-QuAT)は、自然科学研究機構 分子科学研究所(愛知県岡崎市/所長:渡辺芳人 以下、分子研)大森賢治教授の主導する研究グループの成果を用いた量子コンピュータ開発・実用化を目指して設立した「事業化検討プラットフォーム」に入会しました。
G-QuATは政府の「量子未来産業創出戦略」に基づき、量子技術の社会実装を支援する目的で産総研が2023年7月27日に設立した研究センターです※1。G-QuATでは量子技術の産業化に資する設備・場所・技術や投資機会といったビジネス機会をユーザ、ベンダーやサプライヤーに提供し、多様なプレイヤーの集積と結節点として機能すべく整備が進められています。
一方、分子研の大森グループは超高速の量子ビット操作、大規模化のための基盤技術、量子ビットのクオリティと制御性などにおいて他にはない多くの強みを持ち、冷却原子(中性原子)方式※2量子コンピュータ開発をリードしています。分子研は大森グループでの研究成果をベースとしたスタートアップ設立と同方式の量子コンピュータの開発や実用化に向けた活動のために「事業化検討プラットフォーム」を設立しました※3。
G-QuATが大森グループの主宰する事業化検討プラットフォームに参画し、国産量子コンピュータの実用化やサービス展開といった事業化を強力に支援します。
※1 量子・AI融合技術ビジネス開発グローバル研究センター(G-QuAT)設立時のニュースリリース
※2 冷却原子(中性原子)方式
実用的な性能を備えた量子コンピュータの開発には現状、規模の拡大や計算中に発生するエラーへの対策といった課題があります。冷却原子(中性原子)方式はこれらを克服する画期的な方式として世界で大きな注目を集めています。
冷却原子(中性原子)方式では原子一つ一つを量子コンピュータにおける情報の最小単位である「量子ビット」として用います。単一のシステムで実用途への応用に必要な1万量子ビット以上への拡張が可能であるほか、任意の量子ビット同士を接続できるため計算に必要な量子ゲート操作を減らせるなど多くの特長を持っています。
※3 事業化検討プラットフォーム設立のニュースリリース
関連リンク
(大森研究室の量子コンピュータ開発は、破壊的イノベーション創出を目指す内閣府の大型研究プログラム「ムーンショット型研究開発制度」に採択されています)
(大森研究室の量子情報処理技術開発は、経済・社会的な重要課題に対し、量子科学技術(光・量子技術)を駆使して、非連続的な解決(Quantum leap)を目指す文部科学省の研究開発プログラム「光・量子飛躍フラグシッププログラム(Q-LEAP)」に採択されています)
本件問合せ先
量子・AI融合技術ビジネス開発グローバル研究センター 企画室
E-mail:M-G-QuAT-plan-ml *aist.go.jp(*を@に変更して使用してください。)
自然科学研究機構 分子科学研究所
研究力強化戦略室 広報担当
TEL:0564-55-7209
自然科学研究機構 分子科学研究所
光分子科学研究領域 大森研究室 伊神、藤川
E-mail:igami*ims.ac.jp/fujikawa-t*ims.ac.jp(*を@に変更して使用してください。)