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ケトン食で筋ジストロフィーモデルラットの病態を改善

 藤倉(橋本) 祐里 研究員、大石 勝隆 研究グループ長は、東京大学大学院農学生命科学研究科 山内 啓太郎 准教授、博士課程学生 杉原 英俊(研究当時)、株式会社 みやぎヘルスイノベーション 代表取締役 畠山 昌樹と共同で、中鎖トリグリセリドを含むケトン食(以下「ケトン食」という)を摂取させることによりヒトのデュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)と同じジストロフィン遺伝子に変異を持つDMDモデルラットの病態が改善することを発見した。
 ケトン食は、DMDモデルラットにおける筋の壊死や線維化を抑制するだけでなく、筋衛星細胞による再生を促進することで、病態を改善した。この研究で得られた知見から、DMDの新たな治療法の開発や病態進行メカニズムの解明が進むと期待される。なお、この成果の詳細は、2021年8月20日に米国実験生物学会連合誌「FASEB Journal」(文献1)に掲載された。

ケトン食によるDMDモデルラットの筋壊死の抑制 (3ヶ月齢)

概念図

上の2枚の写真で、緑は基底膜、青は核、赤は壊死した筋線維を示す。ケトン食群では、壊死した筋線維の数が少なくなっている。(投稿論文のFig.3より一部改変して引用)

プレスリリース

共同研究機関

  • 産業技術総合研究所、東京大学、みやぎヘルスイノベーション

投稿論文

  • 論文タイトル:Ketogenic diet with medium-chain triglycerides restores skeletal muscle function and pathology in a rat model of Duchenne muscular dystrophy
  • 著 者:Yuri Fujikura, Hidetoshi Sugihara, Masaki Hatakeyama, Katsutaka Oishi*, Keitaro Yamanouchi* (* corresponding author)
  • 雑誌:FASEB Journal, (2021)
  • DOI:10.1096/fj.202100629R

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