本文へ

傷あと(瘢痕)の予防に効果的な治療技術の開発

木田 泰之研究グループ長らの研究グループは、筑波大学形成外科今井裕季子大学院生と協力して、再生医療用細胞である脂肪由来幹細胞の培養上清が外傷後に生じる瘢痕拘縮の予防対策として応用できる可能性を示した。これまで、外傷の治癒時に生じる創の過剰収縮に着目した研究はなく、ヒトの瘢痕拘縮の形成過程を実験モデルとして再現することは困難であった。そこで当研究グループでは、瘢痕由来の線維芽細胞包埋コラーゲンゲル(Fibroblast populated collagen lattice : FPCL)モデルを利用したヒト瘢痕拘縮実験モデルを開発した。そして、脂肪由来幹細胞の培養上清を添加することにより、この患者由来FPCLモデルの収縮が抑制されることを示した。今後、ASC-CMの作用を担う分子ターゲットを同定することにより、瘢痕拘縮の予防に効果的な創薬に繋がると期待できる。

患者由来FPCLモデルの収縮が抑制される

筑波大学形成外科との共同研究

共同研究機関

  • 国立研究開発法人産業技術総合研究所、国立大学法人筑波大学

投稿論文

  • 論文タイトル:Therapeutic Potential of Adipose Stem Cell-Derived Conditioned Medium on Scar Contraction Model
  • 著 者:Yukiko Imai、 Nobuhito Mori、 Yuma Nihashi、 Yutaro Kumagai、 Yoichiro Shibuya、 Junya Oshima、 Masahiro Sasaki、 Kaoru Sasaki、 Yukiko Aihara、 Mitsuru Sekido and Yasuyuki S. Kida
  • 雑誌:Biomedicines
  • DOI:10.3390/biomedicines10102388

▲ ページトップへ