動的架橋型熱可塑性エラストマーの架橋密度の評価

事例No.

OK-0044

概要

動的架橋型熱可塑性エラストマー(TPV)のパルス法NMR測定を行い、スピン‐スピン緩和挙動からゴム相の架橋度を求める。

お困りごと・要望

TPVのEPDM相は伸長応力や膨潤法で架橋度を判定できないため、適切な動的架橋条件や配合が見出せない。

事例提供機関

サンプル

パーオキサイドの配合量が異なるEPDMの純ゴム配合架橋物。PP/EPDMブレンドを動的架橋したTPV。PP/EPDMブレンドの架橋物。

分析方法

1. 160℃でEPDM純ゴムサンプルのスピン‐スピン緩和時間T2を測定し、膨潤法によって算出した網目鎖濃度νSとの関係を明らかする。
2. 160℃でTPVのT2を測定し、純ゴムで得たT2とνSの関係を検量線としてEPDM相の網目鎖濃度を算出する。

分析結果

・160℃で測定したT2の逆数とνSの間に線形関係が成立した。
・TPVのEPDM相は純ゴム架橋物やブレンド架橋物のEPDM相に比べて網目鎖濃度が低くなっていた。
・TPVの物性を理解するうえで重要となるEPDM相の網目鎖濃度の評価を可能にした。

関連装置

Bruker、minispec mq20

開放機器データベース
日本電子、JNM-MU25

コメント

事例「OK-0008:パルス法NMRによるEPDMの網目鎖濃度の評価」も参照のこと。

適用可能な材料

ゴム一般