ポリウレタンエラストマーのソフトセグメントの運動性の評価

事例No.

OK-0024

概要

ポリウレタンエラストマーのソフトセグメントの運動性から加水分解による劣化を評価する。

お困りごと・要望

劣化のメカニズムを知りたい。劣化による物性変化の原因を知りたい。

事例提供機関

サンプル

エステル系熱可塑性ポリウレタンエラストマー(TPU)
TPUの促進加水分解劣化物(80℃、95RH%)

分析方法

サンプルのスピン‐スピン緩和挙動を解析し、ゴム状のソフトセグメントの分子運動性の分布を明らかにする。

分析結果

・劣化材は高温で分子運動性が高くなる(分子鎖の切断を示唆)。
・伸長によって未劣化材の分布は低分子運動側にシフト。劣化材のシフトは小さい。

関連装置

Bruker、minispec mq20

開放機器データベース
日本電子、JNM-MU25

コメント

劣化材はソフトセグメントの切断によって応力を担う網目鎖が減少し、強度が低下する。

事例「OK-0023: ポリウレタンエラストマーのハードセグメント凝集相とソフトセグメント結晶の定量」、「OK-0021: 加水分解したポリウレタンエラストマーのDSCによる評価」 「OK-0022: 加水分解したポリウレタンエラストマーのX線回折による評価」も参照のこと

適用可能な材料

ポリウレタンエラストマー