耐候性試験によるポリエチレンとポリアミド6の劣化調査について

事例No.

HW-0017

概要

FRP製圧力容器のケーシング材としての使用を検討しているポリエチレン(PE)とポリアミド6(PA6)について、容器の屋外使用を想定して耐候性試験を実施し、その経時変化を材料物性試験(引張)、断面SEM観察などにより調査した。

お困りごと・要望

製品に使用する樹脂材料の耐久性を知りたい。

事例提供機関

広島県立総合技術研究所西部工業技術センター
材料技術研究部小島 洋治

研究者・グループ名鑑

事例に関するお問い合せ

サンプル

メタルハライド耐候性試験による劣化サンプル
PE:耐候剤含有の工業用材料、PA6:耐候剤無添加の工業用材料

分析方法

1 耐候性試験
《試験方法》メタルハライドランプ光源による促進劣化試験
《試験条件》光源出力:75 mW/cm2、温度:63 ℃、湿度:50%、水噴霧:12 hごとに90 s、試験時間:960 h(屋外20年相当)
2 試験項目と条件
・引張り試験:つかみ具間距離115mm、試験速度50mm/min
・走査型電子顕微鏡:ミクロトームにより断面作成後、金蒸着した試料を使用

分析結果

1 引張試験
 PEにおける応力-ひずみ関係は、材料の劣化によらず類似傾向であったが、破断ひずみが劣化により50%程度低下した。PA6における応力-ひずみ関係は、劣化後において応力が上昇する途中で破断し、破断ひずみは10%程度まで低下した。
2 走査型電子顕微鏡観察
 PEは劣化による顕著な違いがなかった。PA6は劣化により多数の溝が網目状に広がり、深さ方向に向かってき裂の生成を確認した。

関連装置

超促進耐侯試験機:ダイプラ・ウィンテス METAL WEATHER KU-R5N-A

開放機器データベース
走査型電子顕微鏡:日本電子 JSM-6510A

適用可能な材料

各種樹脂材料

分析事例討論会

R6年度 分析事例討論会