界面活性剤の加熱により分解する温度や切断される結合の解析
事例No.
AT-0005
概要
スピントラップESR法を用いるポリエチレングリコールの熱分解により生成するラジカルの解析により、熱分解温度や熱に弱い結合を明らかにした。
お困りごと・要望
樹脂が熱により劣化する原因を知りたい。
事例提供機関
サンプル
ポリエチレングリコール(分子量500)にスピントラップ剤(TTBNBやDMPOなど)を混合した溶液
分析方法
スピントラップESR法により、単寿命のラジカルを長寿命化し検出することが可能。ポリマー溶液の加熱により結合が切断し、生成するラジカルを検出し、その構造を解析する。
分析結果
60℃以上でPEGに含まれる過酸化物の分解に伴うラジカル生成が観測された。110℃以上で、過酸化物の分解とは異なるラジカル生成が観測された。速度論に基づいた素反応解析により、110℃以上で観測されたラジカルは、PEGのC-O結合の切断により生成しPEGの熱分解を表す。
関連装置
ESR(Bruker、EMX-Plus)
コメント
溶媒や水に可溶なポリマーであれば、熱により切断される結合の解析が可能。また、ESRは非常に感度が高いため、TGAやDSCと比較してごく初期の分解挙動や分解温度も解析可能。
適用可能な材料
ポリエーテル、ポリエステルなど