硫黄加硫EPDMの脱硫による化学構造の変化と架橋結合の開裂指標

事例No.

AC-0054

概要

硫黄加硫したエチレン-プロピレン-ジエンゴム(EPDM)および多軸押出機を用いて再生したゴムについて,Py-GC/MS/FPD により得られる硫黄化合物を同定した。脱硫により化学構造の変化をモデル化すると共に、架橋結合の開裂指標は、熱分解で得られるシクロペンタチオフェンの生成量であることがわかった。

お困りごと・要望

硫黄加硫したEPDMを脱硫することでマテリアルリサイクルしたいが、脱硫がどの程度進行しているか、脱硫度の指標を知りたい

事例提供機関

サンプル

硫黄加硫EPDM、粉砕処理による再生ゴム

分析方法

Py-GC/TOFMSを用いて、試料を熱分解することで化学構造を反映した熱分解物を同定した。同様に、Py-GC/FPDを用いて、化学構造を反映した硫黄化合物を同定した。

分析結果

Py-GC/TOFMS/FPDを用いた分析から、2つの試料から、硫黄化合物としてシクロペンタチオフェン、ベンゾチアゾール、2-メチルベンゾチアゾールが得られた。加硫EPDM由来の3物質の生成量と比較し、再生ゴム由来のそれらは顕著に生成量が減少した(図1)。加硫EPDMからはシクロペンタチオフェンが発生し、架橋結合が開裂した場合、発生しない結果を脱硫による化学構造の変化から説明できた(図2)。したがって、シクロペンタチオフェンの生成量減少が脱硫度の指標として有望であることがわかった。

関連装置

熱分解炉(フロンティア・ラボ EGA/PY-3030D)
GC/TOFMS(日本電子 AccuTOFTM GCx-plus)
GC/FPD(島津製作所 GCMS-QP2020NX)

適用可能な材料

架橋結合が開裂しているか判断したいゴム試料

分析事例討論会

R7年度 分析事例討論会