DART-MS、ハートカット法GC/MSを用いたリサイクル樹脂中の添加剤の網羅的分析

事例No.

AC-0047

概要

昇温加熱デバイスを備えたDART-MSを用いることで、データが迅速に得られ、KMDプロットにより主たる添加剤を定性できた。DART-MSとハートカット法GC/MSを用いた相補的な分析により、リサイクルPPに配合された添加剤を網羅的に定性することができた。今後、添加剤の網羅的かつ迅速な分析法確立のため、DART-MS分析精度を向上させる予定である。

お困りごと・要望

リサイクル樹脂に含まれている添加剤種が不明であり、需要が見込める市場に流通させにくい。添加剤種を明らかにしてほしい。

事例提供機関

サンプル

リサイクルポリプロピレン

分析方法

昇温加熱デバイスを備えたDART-MSを用いた。試料は前処理することなく、ペレット1粒(9.5~10 mg)用いた。He気流温度:400℃、IonRocket温度:100から400℃まで100℃/minの昇温速度で昇温した。測定時間は1検体につき、約10分であった。得られたデータをKMDプロットした。

分析結果

熱分解炉を注入口に設置したGC/MSを用いた。凍結粉砕したリサイクルPP(約10 mg)を熱分解炉を用いて100から350℃まで加熱し、発生する生成物を冷却、凝縮させた後、GCにて分離し、定性した。

関連装置

昇温加熱デバイス(IonRocket、バイオクロマト)、DART-MS(AccuTOF LC-plus 4G、日本電子)
熱分解炉(EGA/PY-3030D、フロンティア・ラボ)、GC/MS(GCMS-QP2010 Ultra、島津製作所)

コメント

LCMSを利用する場合と比較し、定量性は劣るものの、迅速、網羅的に添加剤を定性することが可能です

適用可能な材料

配合成分がわからない樹脂、複合材料

分析事例討論会

R5年度 分析事例討論会