少量でのゴムサンプル試験片の引っ張り強度物性評価

事例No.

AC-0010

概要

40g程度のゴムサンプルを専用金型でホットプレスで加硫加工してシートを作製、次いでダンベル試験片を専用打ち抜き機で作製し、強度物性を変位計付き引張強度試験機で評価。

お困りごと・要望

少量ゴムサンプルの強度特性評価をしたい。

事例提供機関

サンプル

・ゴム素材
・ゴム用添加剤の例

分析方法

ゴムサンプルを、必要に応じて、素練や添加剤を配合して、混練を行い、ホットプレスを用いて加硫成形を行う。得られた加硫成形シートは、必要に応じて、温度・湿度が一定の実験室(恒温恒湿室)に適切な時間静置して、成形時のひずみ等を緩和させる。その後、ライトボックス等で透かして欠陥の有無を確認し、打ち抜き機で試験片(JIS3号)を作製する。試験片は、引張強度試験機に対して垂直になるようにセットし、チャックで固定する。ゴム材料は、伸び率が大きいため、伸び特性(変位)を正確に計測するため、変位計をセットする。その後、引張強度試験を実行する。

分析結果

ゴム材料は、樹脂材料と比較して、元々の強度が高くなく、大きな伸び特性を持っている。そのため、フィラー等の補強剤添加の効果が大きく現れやすい。樹脂と異なり、適切に混練操作を行えば、フィラーや添加剤は均一に分散できるため複数サンプルを測定した場合の、データのバラツキは少ない。データがバラつく場合、混練操作等の内容の再検討も必要となる。ゴムの引張強度試験では、適応させる材料・製品により、伸び率が低い領域(0~300%の伸びの範囲/低伸張領域)の強度(応力)が重要な場合と、破断時の強度(応力)が重要な場合とがある。破断時では、ゴム分子が伸びによる配向によって、伸張結晶化を発揮し、物性が向上する。大変形するゴム製品では、破断すると大きな問題となるため、破断強度が重要とされている。

関連装置

適用可能な材料

各種ゴム材料,ゴム用各種添加剤、各種フィラー(補強剤)、エラストマー材料