少量でのゴム混練特性評価

事例No.

AC-0008

概要

40g程度のゴムサンプルで混練できるバンバリー型試験機を用いて、材料ブレンドや添加剤の混練特性をトルクや温度等から評価。

お困りごと・要望

少量ゴムサンプルで添加剤の混練特性を評価したい。

事例提供機関

サンプル

・ゴム素材
・ゴム用添加剤の例

分析方法

固形のゴム材料(ソリッド)を適切なサイズに裁断後(リボン状等)、バンバリー型スクリューを取り付けた、小型混練装置で試験を実施する。原料ゴムのみを装置に投入して素練し、ゴム分子の絡まりの解消や低分子化を行い、可塑化する。次いで、添加剤等を加えて、混練操作を行う。混練装置には、総量で40グラム程度投入する。素練および混練中は、温度やトルク変化に注意する。混練後は、装置から取り出し、次のステップ(加硫成形等)の必要性に応じて、裁断等を行う。天然ゴムラテックス(エマルジョン)のような液体系ゴム材料では、添加剤(ナノセルロース等の繊維状フィラー)を液体状態で混合する場合に、撹拌羽根ミキサー等を用いると、ゴム成分やフィラーの凝集が発生する場合がある。そのような場合は、遠心力を利用する自転公転ミキサーが効果的である。この装置は、脱泡も同時にできる。混合後は、キャスト等して乾燥してシート化し、固形のゴムと同様に、操作する。

分析結果

ゴムの素練・混練中、ゴム材料はスクリューに大きな負荷を与える。スクリューの軸受けのメンテナンスを適切に行わないと、破損等の原因になる。素練後の混練では、添加剤の多くは基本的に反応性物質であるため、添加の順番が重要である。架橋系の添加剤を加えず、他の添加剤のみを配合してい混練するプロセスは、「A練り」と呼ばれ、架橋剤等を配合して混練するプロセスは、「B練り」と呼ばれる。天然ゴムラテックス(エマルジョン)は、水分散液であり、水に分散したフィラー(ナノセルロース等)等を配合しやすい。しかし、pHがアルカリ性であるため、酸性のフィラー分散液等を配合する場合は、アンモニア等を用いて、pHを調整することも必要となる。

関連装置

コメント

ゴム材料の混練試験では、樹脂より、温度やせん断力によって、分子そのものが影響を受けやすい。また、ゴム材料の多くは、分子を架橋(加硫)して、物性を向上させる。架橋剤や促進剤等は、反応性物質であるため、温度や添加の順番等が重要である。

適用可能な材料

各種ゴム材料,ゴム用各種添加剤、各種フィラー(補強剤)