低分子モデル反応によるゴム硬度低下メカニズムの解析

事例No.

AC-0002

概要

EPDMゴム架橋反応を低分子化したモデル反応に対する添加剤効果を検証した。モデルゴム分子2分子が結合した架橋生成物が減少したため、添加剤による架橋阻害を確認した。

お困りごと・要望

添加剤の配合によりゴム硬度が低下した理由を知りたい。

事例提供機関

サンプル

低分子モデル反応に用いる化合物(EPDMポリマーモデル、架橋助剤モデル、過酸化物など)

分析方法

1.低分子モデル反応系の構築と反応生成物の同定
2.添加剤の架橋阻害効果の検証
EPDMポリマーの低分子モデル化合物に対して、実材料と類似の過酸化物架橋反応を行うことで、架橋構造を反映した生成物が得られることを確認する。次に、添加剤を加えたモデル反応において、架橋生成物が減少することを示す。

分析結果

1.低分子モデル反応系の構築と反応生成物の同定
GPCによりポリマーモデル同士が結合した生成物が得られたことが分かった。この生成物は実材料における架橋構造に対応するため、異なる条件のモデル反応で架橋量の比較が可能となった。
2.添加剤による架橋阻害の検証
1のモデル反応に添加剤を加えたところ、架橋生成物が減少し、架橋阻害が起きていることが示唆された。添加剤の種類を変えることで、阻害効果の比較が可能である。

関連装置

コメント

添加剤により架橋反応が阻害されるとゴムの架橋密度が低下する。その結果、硬度低下が起きたと考えられる。
添加剤が付与する所望の性能と架橋阻害効果のバランスをとるため、類似添加剤についても検討することが必要である。

適用可能な材料

化学架橋ゴム