ABOUT

当部門について

INNOVATION FOR SOCIETY THAT CREATES THE FUTURE.

連続精密生産プロセス技術

差し替え依頼
 官能基。それは物質の持つ特性や機能の源泉であり、新たな物質を生み出すための足がかりでもあります。当センターでは、二酸化炭素のような小分子からタンパク質のような大きな分子に至るまで、あらゆる物質をターゲットにして、それらの持つ官能基を変換する技術や新たに官能基を導入する技術の開発を行っています。

データ駆動化学

差し替え依頼
 固体触媒技術と触媒固定化技術の研究開発を通じて、二酸化炭素排出量大幅削減やエネルギー消費量削減を目指した、基礎化学品並びに機能性化学品の革新的な製造プロセスの構築、及びそれらの触媒等の開発を促進する最新分析手法の開発に取り組んでいます。特に、連続生産を可能とする触媒技術並びに単位操作技術、人工知能と連携した触媒設計手法の開発に、国家プロジェクトを主体的に牽引しつつ、産学官連携で取り組んでいます。

触媒×バイオ

石油由来の原料から脱却し、バイオマスや有機廃棄物など、例えば、植物由来セルロース、リグニン、廃糖液などを原料とした新しいプラスチックの合成を行っています。特にバイオ由来の原料を使いつつも、高い強度や特徴ある柔軟性を示すものや、海洋などでも生分解性を示すものなど、これまでには無い性質を持ちつつ、資源循環に貢献するプラスチックの開発研究を行っています。更に、海洋生分解性に係る国際規格ISO策定に向けた材料提供なども検討しています。最近では、リグニン由来の桂皮酸、ひまし油からのリシノール酸からのポリエステル(参照1)や、バイオ由来ポリエステル(PBS)とポリアミド(PA4)による共重合体(参照2、3)などの合成を行っています。

参照

ご挨拶

触媒化学研究部門 研究部門長
吉田 勝

この度、2025年4月1日付で発足した触媒化学研究部門の研究部門長を拝命しました。

数年前まで世の中を騒がせたコロナ禍によるパンデミックの影響は縮小していますが、昨今の世界的政情不安は、より一層深刻度を増しているように感じています。そのため、持続可能な社会の実現に向けた期待は、一層高まっていると言えるでしょう。私は、先人達が不断の努力で脈々と培ってきた「化学」の成しえた様々な功績に感謝しつつ、これが持続可能な社会におけるキーテクノロジーであると捉えています。

世界的な課題でもある、カーボンニュートラルやグリーントランスフォーメーション(GX)が、我が国の重要な社会課題の一つとして認識され、重要な施策としても位置付けられてきています。また最近では、世界のグローバル化の中で、戦略的資源といった経済安全保障的な産業上の懸念も浮き彫りになりつつあります。これらの社会課題を解決し、新たな産業の創出と、よりロバストな産業構造転換のためには、上に掲げたキーテクノロジーである「化学」、とりわけ「触媒化学」の益々の発展が欠かせません。

我々触媒化学研究部門では、「新しい触媒化学技術開発とその社会実装を通じて、未来を創造する」をスローガンに掲げ、これらの社会課題に資する革新的触媒を開発し、基礎化学品および機能性化学品の新規製造法の提案をミッションとしています。加えて、産総研の第6期中長期計画が掲げる「社会課題の解決」と「経済成長・産業競争力強化」に貢献する、触媒およびプロセス技術の開発に取り組みます。

この目的に向けて、触媒化学研究部門は、化学品製造技術の要である革新的触媒を開発し、ファインケミカル等の機能性化学品製造プロセスの革新により、グローバルな循環経済と国内化学産業の国際競争力の維持・強化に貢献します。具体的には、以下の4テーマ、「レドックス反応制御」、「環境・生体調和化学」、「フロー化学」、および「デジタル駆動化学」に資する研究グループを、融合的に運営することにより、機能性化学品製造における生産性向上、未利用資源の活用、化学とバイオの融合、さらに環境負荷物質や製造エネルギーコストの極小化の達成を目指します。これにより、持続可能な未来社会の実現に貢献します。

加えて、様々な産学官連携の重要なハブとしての役割を果たしつつ、「触媒化学」に関する自由闊達な環境下での研究活動を通じて、人類の英知の発露たる学理の探求と、先端科学技術の社会実装に向けたイノベーション創出の双方に尽力していきます。

2026年2月27日追記:当部門の前身である「触媒化学研究部門」を立ち上げ、産総研の触媒化学をけん引してきた佐藤一彦博士が、62歳の若さで2月10日に急逝されました。亡くなる直前まで我々を日々叱咤激励し、圧倒的ともいえる存在感を発揮し続けた稀有な研究者でした。ご冥福を心よりお祈りするとともに、故佐藤博士の化学に対する高邁な精神と、真理探求にかけた熱意を引き継ぎ、部門一丸となって研究開発に一層邁進していく所存です。