お知らせInformation Archive

第35回 GSJシンポジウム 地圏資源環境研究部門 研究成果報告会開催のお知らせ

 地圏資源環境研究部門では、産業技術連携推進会議 環境・エネルギー部会 地圏環境分科会と共催し、下記の要領で「第35回GSJシンポジウム 地圏資源環境研究部門 研究成果報告会」をオンライン(Zoomミーティング)で開催いたします。
●日時:2022年 2月10日(木)13:00~17:15(配信開始 12:30を予定)
●方法:Zoomミーティング(接続時の簡易マニュアルこちら
●題名:ゼロエミッション社会実現に向けたCCSにおける産総研の取り組み
●参加申込:こちらから(締切は 2022年2月4日(金)) ※申込は締め切りました。
※ ご登録いただいた個人情報については、本報告会の対応以外に利用することはありません
●参加費:無料
●CPD単位:ジオ・スクーリングネット:CPD(4単位)の取得が出来ます。単位取得希望の方は、申込時に“CPD単位を希望する”にチェックを入れて下さい。
●ご不明な点は事務局(M-gsj-symposium35-ml (at) aist.go.jp)までお問合せ下さい。  ※(at) 部分を @ に置き換えて送信下さい。 


当日回答できなかった質問に対する回答をこちらに掲載しましたnew

13:00~13:05開会挨拶副研究部門長
 相馬宣和
13:05~13:30地圏資源環境研究部門 部門紹介研究部門長
 今泉博之
13:30~14:10産総研におけるCO2の地中貯留および鉱物化に関する研究開発の課題と展望CO2 地中貯留研究グループ長
 徂徠正夫
14:10~14:55【招待基調講演】
苫小牧CCS実証試験を通じたCO2貯留技術に関する考察
日本CCS調査株式会社
 取締役貯留技術部長
  萩原利幸
14:55~15:40ポスターセッション
15:40~16:10CO2地中貯留における水理/力学的視点からの軟岩の特性評価CO2 地中貯留研究グループ
 藤井孝志
16:10~16:40重力・自然電位を用いた低コストモニタリング技術の開発CO2 地中貯留研究グループ
 堀川卓哉
16:40~17:10地球物理シミュレーションと貯留層モニタリング設計CO2 地中貯留研究グループ
 加野友紀
17:10~17:15閉会挨拶地質調査総合センター長
 中尾信典


● ポスター発表一覧

発表者
タイトルと概要
町田 功ほか● d-excessと17O-excessを用いた地下水の涵養域推定法について 
 今日、地下水の涵養域を推定するための環境トレーサーとして、水のδDとδ18Oが盛んに用いられている。本研究では、新たなトレーサーの開発を目指し、富士山麓の約160地点にて採取した地下水のd-excessと17O-excessを高精度分析によって明らかにした。結果としてd-excessには明らかに高度効果が認められ、新たな環境トレーサーとして利用可能であることが示された。一方、17O-excessに関しては現時点での分析精度が十分ではなく、有効なトレーサーとはなりにくいことが明らかになった。
吉岡真弓ほか● 京都盆地における地下浅層の熱伝導率に関する検討
 地中熱利用の熱源となる地下浅層の熱伝導率の把握のため、本研究では、京都盆地にて実施された100mのオールコアボーリング試料の熱伝導率を測定すると共に、同地点にて実施された熱応答試験(TRT)の結果との比較検討を実施した。その結果、コアの熱伝導率よりもTRTによる見かけ熱伝導率の方が1.3~1.4倍大きい値が得られた。また、TRT時の熱交換器内部の温度測定結果より、本地域における地下水流動により、見かけ熱伝導率が向上した可能性が示唆された。
須田 好● 蛇紋岩メタンの起源
 本研究では、蛇紋岩に関連したCH4生成における炭素源の起源や生成場所(温度・深度)を制約するために、長野県白馬八方にある強アルカリ性温泉の掘削井戸から採取した試料の放射性炭素(14C)濃度、CH4の安定同位体比(δD, δ13C)およびクランプト同位体存在度(Δ13CH3D)、希ガス同位体組成を測定した。複数の地球化学的指標を組み合わせ、蛇紋岩温泉に含まれるCH4が地下深部の蛇紋岩化反応に伴って生成され、その後浅部へ移送されて天水循環システムに付加したことを示唆した。
最首花恵ほか● シリカ鉱物析出反応と地震発生周期との相関性の定量評価
 プレート境界付近の巨大分岐断層沿いに形成される岩石き裂中の石英析出時間の計算モデルを新たに提案し、石英脈の形成時間と地震発生周期との相関性を定量的に評価した。今後、相関性の普遍性が示されれば、地震の活動周期の予測や、地熱エネルギーの持続的な利用にも応用できる可能性がある。
高田モモほか● 除染廃棄物の最終処分に対する社会受容性に関する研究
 2011年の福島第一原発事故により広範囲に環境除染が行われ、福島県で約1400万m3の除染廃棄物が発生した。現在福島第一原発周辺の中間貯蔵施設に保管されている除染廃棄物は、2045年までに福島県外で最終処分される。本研究ではウェブアンケートを実施し、最終処分の合意形成において、いくつかの社会的および技術的要素について国民の相対的な重要性を明らかにした。
浅田美穂ほか● 山形県酒田市沖における表層型メタンハイドレート賦存域の海底状況把握調査
 メタンハイドレート(MH)は日本国内で生産が期待される天然ガス資源のひとつである。「表層型MH」は海底面のごく近傍に形成され、広く日本海東縁に断続的に存在することが知られている。このうち山形県酒田市の沖合にある酒田海丘(仮称)頂部付近で、レーザー測量と静止画撮影を組み合わせ、海底面の地形・色・位置情報を持つ3D画像を得る「高分解能海底三次元画像マッピング」を行なった。この観測が明らかにした、海底の状況と、MHに関連するガス浸み出しの影響を受けて存在する生物群および岩石露頭の定量的分布情報を報告する。
児玉匡史ほか● ミュオントモグラフィの多次元密度推定における空間・時間・密度分解能の相互関係の実用性重視評価
 ミュオンラジオグラフィは宇宙線ミュオンを利用し透過経路の平均密度を推定する手法である。近年では複数の地点からミュオンラジオグラフィを行い、トモグラフィックに物体内部の3次元密度推定を行う事例が増えている。本研究では、ミュオントモグラフィを利用して様々な大きさ・密度をもつ密度異常検出を行った際に必要な観測時間を数値計算により評価し、空間・時間・密度分解能評価を行う手法を提案した。加えて分解能評価に基づき、L1ノルム正則化およびL2ノルム正則化最小二乗法によるインバージョン結果の比較を行った。
志賀正茂ほか● 粘土鉱物表面への二酸化炭素・メタン競合吸着に関する分子動力学的検討
 二酸化炭素の圧入によるシェールガス回収量の向上を目的とするCO2-Enhanced Gas Recoveryでは、シェール層の鉱物表面へのCO2・CH4の吸着性能が重要だと考えられている。一方、分子間相互作用に起因する吸着サイトへの競合は、一般的な貯留層シミュレータに実装されている拡張ラングミュア(Extended Langmuir)モデルでは扱うことができない。そこで、本研究では分子動力学(Molecular Dynamics)シミュレーションにより粘土鉱物表面上でのCO2・CH4吸着性能に対する圧力・温度・界面水の影響を評価した。また、密度分布・吸着自由エネルギー解析に基づき、吸着量変化のメカニズムについて検討した。
斎藤健志ほか● 地圏における重金属類の動態に関する温度依存性評価
 近年、都市化等に伴う地圏の温度上昇により、ホウ素やヒ素など、有害な重金属類が地下水中に溶出する可能性が報告されている。本研究では、地圏中重金属類の動態メカニズムのうち、特に土壌や地質への吸着現象を対象に、その温度依存性(20℃および40℃条件下において)を評価した。温度条件のみを変えたバッチ吸着試験の結果、基本的には、それほど大きな温度依存性は認められなかったが、土壌や地質によっては、特にヒ素において、最大で30%程度、20℃よりも40℃条件下で、吸着量が有意に上昇することが示唆された。
岡本京祐ほか● 微小地震観測に基づいた地熱地域における地下流動・構造の把握手法
 高感度微小地震観測網を用いた、高精度な微小地震震源位置の推定、微小地震への流体流動の寄与を判定する手法の確立を通して、地熱貯留層内の流体挙動予測手法の開発を行った。また、機械学習を用いた自動震源決定手法の開発を行い、手動震源決定に準ずる結果を即時的に得られることを示した。これらの手法により、効率的で安定した地熱地域の開発・維持に貢献可能である。
鈴木陽大ほか● 地熱地域における地表水のpH分布特性評価
 地熱地域において地表水のpHマップを作成することは、中性型熱水貯留層位置の推定に有効である可能性が示されているが、有益な推定結果を得るためには、適切なデータスクリーニングが必要である。EC–pHグラフは効果的なデータスクリーニング法として知られるが、検証地域が限られていることから汎用性に関する評価がなされていない。本研究では、多くの地熱資源が賦存することが知られる北海道、東北、九州地方に位置する複数の主要地熱地域において、2,131件の地表水データを収集し、EC–pHグラフの適用可能性を評価した。
金子翔平ほか● 上向きの地下水流れ発生地域における原位置地下水注水実験
 本研究では、水理水頭に着目したオープンループ方式地中熱利用システム導入判断のための判定技術開発を目的として、同一孔において地下水位の異なる2時期(降雪期・非降雪期)の注水実験を福島県会津坂下町で実施した。本地域では、降雪期は消雪用井戸稼働による水理水頭低下により、上向きの地下水流れが小さくなる。2時期の注水実験における注水量と水理水頭の関係から、上向きの地下水流れの注水量への影響を検討した。その結果、冬の方が注水しやすいことが確認された。今後は更なる実証実験と数値解析を実施する。
Shrestha Gauravほか● 地中熱利用のための島嶼における水文地質・地下水流動モデルの構築
 本研究では、島嶼である沖縄県・名護平野における地中熱ポテンシャル評価のために三次元水文地質・地下水流動モデルの構築を目的とする。
 ボーリング資料、地質情報と地下水データを収集した。収集した地質データを基に三次元水文地質・地下水流動モデルを構築し、地下水流動系を把握した。モデルの検証には、収集した地下水位の観測データと比較して、計算結果の再現性を確認した。今後は、塩水侵入現象も考慮してモデルを更新し、地下水流速への影響を把握する。
産業技術総合研究所 地質調査総合センター 地圏資源環境研究部門
住所
〒305-8567
茨城県つくば市東1-1-1
中央第7