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<本 館>

<別 館>

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本 館

  癒し系ロボット「パロ」

パロ   アザラシ型のメンタルコミットロボット「パロ」は、動物とのふれあいを通して人を「癒す」アニマル・セラピーを実現するパーソナルロボットです。パロは、学習機能により、新しい名前を学習したり、飼い主の好みに応じた行動を学習したりするため、個性を獲得します。また、1台1台手作りのため、顔つきなどが異なります。
  展示されている第8世代のパロは、その内部に、2つの32ビットRISCチップによる人工知能と、新型のユビキタス面触覚センサ(IEEE(米国電気電子技術者協会(Institute of Electrical and Electronics Engineers))の国際会議にて最優秀賞受賞)や、静穏型アクチュエータなど、新しい独創的な最先端の技術を満載しつつ、耐久性、信頼性を向上させ、電磁シールドや抗菌など安全・安心も配慮した高い技術で作られています。
  世界的に注目されており、2002年には、「世界一の癒しロボット」としてギネスブックに認定されました。デンマークの高齢者向け施設に、2011年までに1000台導入されることも決定しています。また、2009年12月から米国での販売を開始しました。
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  ヒューマノイドロボット

ヒューマノイドロボット   ヒューマノイドロボットとは、人間の形をした二足で歩くロボットのことです。人間の形をして人間と同じように動けるので、ロボット専用の作業空間を用意する必要がなく、人間のために作られた環境がそのまま使える特徴があります。産総研では、この特徴を活かした、働くヒューマノイドロボットの実現を目指して研究を行っています。
  展示コーナーに展示されているHRP-1は、経済産業省が1998年度から5ヵ年計画で実施した、人間協調共存型ロボットシステムプロジェクト(Humanoid Robotics Project, HRP)において開発されたヒューマノイドロボットです。産総研では、川田工業、安川電機、清水建設と共同して、HRP-1をベースに、同プロジェクトの最終成果機としてHRP-2「Promet(プロメテ)」を開発しました。
  HRP-2は、身長154cm、体重58kgで腰2軸を含む30自由度を有し、軽量・多自由度を実現しています。凸凹道の歩行や転倒回復動作も実現しました。HRP-2等の成果をベースに、HRP-3「Promet Mk-II(プロメテ マーク・ツー)」やHRP-4C「未夢(ミーム)」等の新たなヒューマノイドロボットの開発を実現しています。
関連情報:サイエンス・スクエアつくば「恐竜型2足歩行ロボット」
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  光触媒

光触媒   光触媒は、光のエネルギーによって働く触媒です。この光触媒は光を吸収してエネルギーの高い状態となり、そのエネルギーを反応物質に与えて化学反応を起こします。光触媒半導体の酸化チタン(TiO2)は、現在最も多く使われている光触媒です。 酸化チタンに光を照射したときに生じる強力な酸化力を利用すると、猛毒のダイオキシンを含め、ほぼ全ての有機化合物を、水や炭酸ガスに分解することができます。この光触媒作用を利用することにより、脱臭、抗菌防かび、排ガスの浄化、防汚、セルフクリーニング、水処理など、環境分野への幅広い応用が可能です。
  産総研では、20年前から光触媒技術の開発に取り組んでおり、酸化チタンフィルム光触媒用コーティング液、アパタイト被膜酸化チタン光触媒、可視光応答型光触媒といった、様々な光触媒材料を開発しています。臨海副都心センター本館正面玄関のガラスにもコーティングされ、防汚効果を発揮しています。
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  高効率なリカンベント型自転車

高効率なリカンベント型自転車   自転車で走る時のペダルを回転させる動きは、脚の筋肉の出したエネルギーをかなり無駄にしています。産総研では、筋肉の働きを研究して筋肉の出すエネルギーを効率良く使うことのできる自転車、「高効率駆動機構リカンベント型自転車」を開発しました。スーパーダビンチ駆動機構(SDV)は、脚の筋肉の出すエネルギーを無駄なく使うために、ペダルを回転させるのではなく、上下に直線運動をさせます。
  また、人間は歩いているように脚をおろす方が力が出ますが、脚を水平に上げているリカンベント姿勢では少し効率が落ちてしまうため、従来のリカンベント型自転車は上り坂が苦手です。そこで、筋肉からエネルギーを取り出す時の脚の最適な動きに合わせて、新型駆動機構の直線部と腰とかかとを結ぶ直線とが20度弱になるように設計することにより、上り坂も楽に走れるようになりました。
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  粘土でできたガスバリア膜「クレースト」

クレースト   ガスバリア膜とは、気体を遮蔽する性能に優れた膜のことで、食品包装材料などに用いられます。産総研では、厚さ1nmの粘土結晶を緻密に積層する技術を用いて、従来困難であった高温域におけるガスバリアを可能とした、柔軟性のあるガスバリア膜「クレースト」を開発しました。
  膜厚は3~100μmであり柔軟性はコピー用紙並みです。切ったり折ったり曲げたりや、膜を重ねてさらに厚い膜を作ることも可能です。600℃までの広い温度領域で、ヘリウム、水素、酸素、窒素などのあらゆる無機ガスに対して高いバリア性を保持します。また不燃性です。これらの特性から、高温条件化でのパッキン、燃料電池周辺部材、絶縁フィルム、アスベスト代替材料などの広範な用途が見込まれています。
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  プラスチックフィルム太陽電池を実現する「有機薄膜太陽電池」

プラスチックフィルム太陽電池   太陽電池は、いろいろな材料や構造のものが開発されています。材料で分類すると、シリコン系、化合物系及び有機系に大別できます。展示コーナーでは、有機系の一種であり、有機物を含んだ固体の半導体薄膜を使う有機薄膜太陽電池を展示しています(比較として多結晶シリコン太陽電池も展示しています)。 プラスチックなどのフレキシブル基板に常温での塗布が可能なことから、低コストでフレキシブルな太陽電池を実現できます。
  固体型の太陽電池は、有機・無機を問わず、p型半導体とn型半導体の接合による光起電力効果を原理とします。従来の有機薄膜太陽電池では、有機半導体で形成されるp-n接合の光電変換層の厚みが数ナノメートル程度なのでエネルギー変換効率が悪く、実用化に到っていません。そこで、産総研では、n型とp型の分子が混在するナノ構造の相互作用層(i層)を、p-n接合界面に新たに導入してp-i-n接合型とし、有機半導体の分子レベルでの3次元的なp-n接合形成を実現することで、光電変換層の実行的厚みを増やし、2005年にエネルギー変換効率約4%を達成しました。
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  マイクロチューブ型燃料電池(携帯機器用小型ダイレクトメタノール燃料電池)

マイクロチューブ型燃料電池   小型燃料電池は、パソコンや携帯電話などの小型携帯情報機器の電源として期待されています。産業技術総合研究所では、平成13年度に、メタノールを燃料として、世界的にも極めて希なチューブ型の電解質を用いた小型ダイレクトメタノール燃料電池を新しく開発しました。本方式の優れた特徴として、電池単位体積当たりの反応面積が多くとれる、燃料漏れの問題がない、構造が柔軟で種々の形状のものがデザインできる、などが挙げられます
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  9面ディスプレイ

9面ディスプレイ ①人体形状モデルDhaiba
  体格、骨格や年齢など利用者の個人差にあわせて調整することができる計算機シミュレーション用の人体のモデル。全身だけでなく、頭、手、足など体の部分をより精密なモデルも整備。
②身体地図情報システム
  医師・病院との協力により、子供の体のどこにどのような傷害を受けたか、の種類別年齢別入力支援システムとその結果構築されたデータベースの紹介。より安全な製品開発や障害の事故や虐待の判定に有用。
③転落・頭部傷害シミュレーション
  遊具や自転車での事故において、緩衝材やヘルメットの有無により幼児が受ける頭部の被害のコンピュータシミュレーションによる評価の紹介。
④人体の足型の動的形状計測
  より快適で高性能な靴の開発に役立つ、人体の歩行時や走行時に足の形状がどのように変形しているのかを解明する技術の紹介。
⑤二足歩行ロボットの歩行制御
  二足歩行ロボットにおいて、障害物や路面の状況を把握して移動計画を立案し、現状にあわせて絶えず修正しながら目的地点までロボットだけで移動する技術の紹介。
⑥複合現実感技術を用いたロボットの内部状態提示
  二足歩行ロボットの操縦において、動作時の状況を操縦者に分かりやすく提示する技術の紹介。
⑦健康サービス産業における歩行評価システム
  健康産業における利用者へ運動方法のアドバイスに役立てるために、人の歩き方の特徴を簡単なセンサで把握することを可能にした計測技術の紹介。
⑧指形状のシュミレーション(釣銭受け動作)
  自動販売機の釣銭口に幼児の指だけが挟まって大怪我をする事例の原因と対策をコンピュータシミュレーションで解明した事例の紹介。
⑨姿勢の得点化による配置評価
  実物大の模型で人間が完成評価実験をしなくても、自動車の乗り込みやすさ、運転時姿勢のとりやすさなどをコンピュータシミュレーションで数値的に評価し、より適切な形状の決定を短期間に低コストで実現する技術の紹介。
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  サウンドスポットを形成するスピーカーアレイ (要予約)

スピーカーアレイ   スピーカーアレイは、多数のスピーカーをアレイ状(規則的な配置)に並べたものです。音は、空気中を1秒間に約340mの速さで進みます。たくさんのスピーカーを空間中に並べておくと、焦点からの距離に応じて、音が到達する時刻が変わります。
  音声を伝えたい焦点でのみ位相が揃うように、音声信号に位相差分の遅延を付加して各スピーカーに出力すると、焦点付近にサウンドスポットが形成されます。焦点の位置に来たときだけ音が聞こえるので、美術館等で展示品の前で適切な説明をしたり、さらに大人と子供で説明を変えたりするシステムが可能になります。
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  太陽光発電をリアルタイムで表示する電光掲示パネル

電光掲示パネル   太陽電池は、「半導体」の性質を利用して、光のエネルギーを直接的に電力に変換する太陽光発電クリーンな電池です。臨海副都心センターの本館と別館の屋上には、多結晶シリコン太陽電池からなる太陽光発電設備が設置され、電力の一部を賄っています。
  電光掲示パネルは、この太陽光発電システムの発電電力量などの発電状況をリアルタイムで表示します。本館に設置された太陽電池は、305kwの発電出力を有し、本館消費電力量の3%を補っています。別館に設置された太陽電池の発電状況は、別館1Fに設置されたモニターで表示しています。
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  映像コンテンツで遊ぼう!

映像コンテンツで遊ぼう   触れる事なく、空中で手を動かすだけで画面を操作できるディスプレイで、「恐竜ロボットの謎を追え」「パロと遊ぼう」「合体変形ロボット!子猫を救え」などの産総研にまつわるコンテンツを体験できます。
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  中小企業支援制度の成果紹介

中小企業支援制度の成果紹介   産総研では、中小企業に対して、共同研究を通じて技術の製品化・事業化の支援を行っており、これまでに様々な製品が誕生しています。展示コーナーでは成果事例を紹介しています。
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  臨海副都心センター研究概要紹介

臨海副都心センター研究概要紹介   産総研の概要と、臨海副都心センターにある8つの研究ユニットの概要を紹介しています。
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  デジタルヒューマン研究センター成果紹介

デジタルヒューマン研究センター成果紹介   デジタルヒューマン研究センターでは、人間の機能(生理解剖、運動機械、心理認知)をコンピュータ上で再現するデジタルヒューマンモデルを研究開発しています。これらのモデルはシステムや製品の設計に役立ちます。
  展示コーナーでは、研究開発成果である、手の甲の皮膚変形パターンと関節屈曲特性に適合した「バッティンググローブ」、現代の若い女性の3次元の人体平均形状を反映した「衣服設計用人台」、日本人の顔の3次元形状に合わせた「メガネフレーム」等を紹介しています。
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  シリコン球の精密測定による「キログラム」の再定義

シリコン球   国際単位系の7つの基本単位のうち、質量単位だけが今もキログラム原器という白金イリジウム合金からなる人口物を基準としています。人工原器は表面汚染の影響などで質量が変化してしまい、これを計量の基準とすることは安定性の点で問題があります。そこで近年、普遍的な物理定数を使ったキログラムの定義の見直しが国際的に行われています。
  アボガドロ定数は1モルの物質に含まれる原子や分子の数を表す基礎物理定数です。産総研では、単結晶シリコン球を測定することで、高精度なアボガドロ定数を決定し原子の数からキログラムを再定義するための研究を行ってきました。
  測定に使われるのは、真球に近く超精密研磨された質量1キログラムの高純度の単結晶シリコン球です。シリコン球の直径をレーザー干渉計によって測定し、体積を正確に求めます。真空中で球の密度を測定し、また結晶の格子定数(原子間距離)とモル質量(3種存在する安定同位体 28Si 29Si 30Siを考慮した平均原子量)を決めます。これらのデータから、2002年に、2×10-7 という高い精度でアボガドロ定数を測定することに成功しました
  そして現在、キログラムを再定義するのに十分な2×10-8 の精度でアボガドロ定数を決めることを目標とした国際プロジェクトに参加し、 28Si単結晶シリコン球の密度を求めています。このプロジェクトでアボガドロ定数が決まるのは2010年の予定です。
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別 館

  トランスフェクションマイクロアレイ

トランスフェクションマイクロアレイ   トランスフェクション(遺伝子導入)とは、細胞内に特定の遺伝子を導入する方法で、特定の遺伝子が細胞に与える影響を調べるのに不可欠です。トランスフェクションマイクロアレイは、トランスフェクション試薬と、アレイ状のDNAプローブを固着させた、遺伝子導入を効率的に行うためのアレイチップです。
  1枚のスライドガラス上で1512種類のトランスフェクション試験を同時に行うことができます。特に、siRNA(small interfering RNA)の導入によって細胞内での特定の遺伝子の発現を抑制するRNA干渉法での実用化が期待されます。
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  がん細胞の増殖を抑制する新発見物質「テロメスタチン(Telomestatin)」の研究

テロメスタチン   ヒトをはじめとする真核生物のDNA末端をテロメアと言い、ヒトを含むほ乳類のテロメアは全てTTAGGGの繰り返し塩基配列です。細胞の分裂回数はテロメアの長さで決まります。テロメアは細胞分裂の度に短くなっていき、体細胞は50~70回分裂した後増殖機能を失いアポトーシス(細胞死)します。
  ところが、がん細胞では、テロメアをもとの通りに伸長する酵素であるテロメラーゼが発現しており、アポトーシスが起こらず細胞が不死化します。
  テロメラーゼの発現を抑制できれば、がん細胞の増殖を抑えられるので、その阻害剤は抗腫瘍剤として期待されています。テロメラーゼは、豊富なグアニン残基により、立体的な構造のグアニン四重鎖(G-quadruplex)を形成します。このG-quadruplexを安定化させてテロメラーゼ活性を阻害するのが、G-quadruplex作用物質です。2001年に報告されたテロメスタチンは、放線菌Streptomyces anulatusが生産する天然生理活性物質であり、従来のG-quadruplex作用物質とは全く異なる構造からなる化合物です。テロメラーゼ阻害剤のうち最も強力な作用を示し、世界中で標準物質として用いられており、産総研では新たな誘導体展開と共に抗腫瘍剤としての開発を進めています。
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  マイコプラズマ感染症の早期診断-予防-治療を可能にするマイコプラズマ特異脂質抗原の研究

マイコプラズマ特異脂質抗原の研究   マイコプラズマ・ニューモニエは、肺炎の20%の原因菌と思われる微生物です。従来テロメスタチンのマイコプラズマ感染症の診断法であるマイコプラズマ抗体測定法は、培養したマイコプラズマ・ニューモニエからの粗抽出物を抗原として用いているため、マイコプラズマ抗体に対する特異性が低く、早期かつ正確に判断することが困難でした。
  展示コーナーに展示されている分子模型は、近年、マイコプラズマ・ニューモニエから分離・同定された特異な脂質抗原です。従来の方法に比べて特異的・高感度な診断法に応用できることから、感染症の新しい早期診断-予防-治療法につながるものであり、産総研で研究を進めています。
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  世界最大のヒトタンパクチップ

ヒトタンパクチップ   約2万2千個と言われるヒト全遺伝子の約75%にあたる約16,000種に対応するヒトタンパク質発現リソースを作製しました。構築したリソースを用いて、コムギ胚芽抽出液中でタンパク質を発現させました。発現タンパク質をスライドガラスの上にスポットしタンパクチップを作りました。
  このタンパクチップが搭載するタンパク質数は、世界最大です。更に、立体構造を維持したタンパク質を搭載したタンパクチップを開発中です。これらのタンパクチップは自己免疫疾患等の抗体検出に威力を発揮すると期待されています。
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  産総研 研究紹介タッチパネル

研究紹介タッチパネル   つくば又は臨海副都心センターのサイエンス・スクエアで紹介されている研究の概要を、タッチパネルで研究分野ごとに検索してご覧になれます。

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  3Dドームシアター ~ 没入型3次元空間ディスプレイuCORE (準備中)

没入型3次元空間ディスプレイuCORE   3Dドームシアターは、産総研で研究開発を行ったuCOREの技術をもとにしています。 uCOREは、見る人の視点情報を計測し、視点情報に応じた映像をリアルタイムで生成して複数の投影装置よって提示します。実世界で動きながら物を見た時のような映像を提示するため、単に映像が立体的に見えるだけでなく、あたかもそこにいるかのような感覚を得られます。
  直径5メートルの大型球面スクリーンに、複数の投影装置の映像を継ぎ目なくつないで投影することにより、高解像度・高コントラストな映像空間を実現しています。 臨場感あふれる3D映像をお楽しみください。
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  麹菌DNAマイクロアレイ

麹菌DNAマイクロアレイ   麹菌は、糸状菌の一種で、酒・味噌・醤油などの日本の伝統的発酵産業や、近年では酵素生産などのバイオテクノロジーに広く使われています。産総研は、国内の産学官連携のコンソーシアムに参加し、麹菌の全ゲノム解析や、麹菌の研究開発に重要なゲノム情報基盤構築を行ってきました。
  産総研が作成した「麹菌DNAマイクロアレイ」は、麹菌の全遺伝子に対するプローブを搭載したDNAマイクロアレイです。これによって様々な条件による麹菌遺伝子の発現の変化を網羅的に解析し、麹菌全遺伝子発現プロファイリングのデータベースの構築を実現しました。
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  ナノエレクトロスプレーインターフェースカラム

ナノエレクトロスプレーインターフェースカラム   質量分析法は、高電圧をかけた真空中で試料をイオン化し、その質量電荷比に応じて分離・検出します。質量分析法において、試料物質に電荷を持たせる方法の一つであるエレクトロスプレーイオン化技術は、一般に微小口径の開口部を備える細長いカラムから試料分子を少量ずつ吐き出して霧吹き(スプレー)することで、試料分子をイオン化します。
  産総研では、このマイクロスプレーカラムの形状を、①先端開口部内口径が0.5μm以下とする、②カラム充填剤の粒径を0.5μmより大きく5μm以下とする、③カラム先端に充填される塞ぎ止めのビーズ等のない構造にする、といった改良を加えました。これによって、マイクロスプレーカラムから噴射される帯電液滴を微細化させ、試料分子のイオン化効率を向上させました。
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  遺伝子組み換え技術を使った医薬製剤原料「インターフェロンイチゴ」

インターフェロンイチゴ   植物の遺伝子組換え技術を用いて、産業用酵素や医療用蛋白質などの有用物質を植物で生産させる研究をしています。動物細胞培養に比べて、低コストで大量生産が可能である上に、哺乳類に感染する病原体(プリオン、ウイルス)や毒素等の混入の危険性が極めて低いという利点があります。イチゴにヒトのインターフェロンやウシのラクトフェリン等を生産させる技術開発に成功しました。
  その他タバコ、イチゴ、イネ等を用い、本来植物が生産しない哺乳類の生体防御因子であるサイトカイン分子、血液成分、検出用・治療用抗体やワクチン素材を組換え植物で生産させる技術の研究をしています。
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  最小のタンパク質「シニョリン」の分子模型

シニョリン分子模型   産総研は、タンパク質分子は、10~20アミノ酸程度の自律要素と残りの受動的依存的要素から構成される階層的な構造体であるという仮説をたて、その仮説を立証すべく、2004年に、10個のアミノ酸で合成される新規の非環状ペプチド「シニョリン」を設計・合成しました。
  これまで、タンパク質が固有の立体構造を安定的に形成するには、少なくとも30~50個のアミノ酸が必要であると考えられていました。シニョリンは、従来の基準ではペプチドと定義される大きさですが、固有の立体構造と、昇降温に伴う可逆的かつ協同的な変性・再生というタンパク質が機能するための不可欠な要件を備えるため、「最小のタンパク質」と言うこともでき、タンパク質の構造単位に関する従来の認識の修正を促すものです。
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  ヒト遺伝子辞典

ヒト遺伝子辞典   この本はヒト遺伝子の百科事典です。ヒトの遺伝子とタンパク質に関する知識を広く集めてデータベースにまとめたものが、統合データベースH-InvDB(エイチ・インブ・ディービー)です。H-InvDBは2004年から公開を始め、2011年時点では最新リリース7.5を発行しており、この本は最新版に基づいて作成しました。
  ヒトの遺伝子は3万個以上あると考えられていますが、その多くはまだ機能が解明されていません。この本では、今までに詳しく研究されている約2万個のヒト遺伝子についての構造や機能や発現などの情報をまとめました。生命を形づくる部品が実にたくさんあること、そして生命がいかに精巧なしくみで成り立っているかを感じとることでできます。
  専門的な観点からヒト遺伝子やタンパク質の情報を利用したい方は、ぜひオンライン版のデータベース(無料)をご利用ください。http://hinv.jp/
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