静電気の見える化、DXを実現する技術

ー 静電気発光(SEL):見えない静電気を、発光で可視化する技術 ー

研究のねらい

静電気は極めて身近な現象です。 近年は、半導体業界では微細化した電子素子への静電気破壊や誤作動、軽量化電動モビリティの燃費・操作性、航空機や風車の耐雷にも関連し、その対策は、益々注目を集めています。 重要である一方で、未だ静電気は謎が多いまま。 従来の静電気センサーは、表面に凹凸のある対象物、移動している状態、測定環境が変化する状態での測定は難しい。 何より、目で見る、カメラで撮るなど、直感的に分かる手段がない事が静電気を課題困難なものにしてきました。 多くの産業ニーズもこの点にあります。 我々が解決したい事は、見えない静電気を発光で可視化し、カメラで捉えてDX化し、設計や対策に使える情報にする事です。

主な成果

1.空気中のイオンや帯電粒子などの微弱な電気に反応して発光する静電気発光(SEL)材料
  (例:SrAl2O4:Eu2+:セラミック粒子)を、世界で初めて見いだしました。
2.静電気発光SEL挙動から、帯電電位と場所の変化を知る事が出来ます。
3.静電気発光SELセンサの活用で、除電経路の可視化が可能になりました。
4.静電気や対策の評価、除電設計、予測、見える化で現実情報を提供し、大学や企業の皆様と連携を進めています
5.静電気発光SELセンサシート開発にも成功。SEL材料と共に提供可能です!

※当部門のセンシング情報システム研究グループと連携中

静電気発光

静電気発生予測やリスク評価、帯電設計へ

用途・展開先

半導体、電子材料、軽量モビリティ、自動車、航空機、風車、
静電気可視化、除電経路設計、帯電現象究明、帯電監視と予測

成果リスト

外部リンク

1)産総研プレスリリース  「目に見えない静電気分布を発光させることにより直接的な可視化に成功」

2)応用物理学会:注目講演プレスリリース  「約2600年ぶりに静電気を「見える化」できるセンシング材料を発見」

3)【ナゾロジー×産総研マガジン未解明のナゾに挑む研究者たち】
 「最初はライトセーバー作ろうと思ってた」静電気を“見えるように”したニ人の科学者
 産総研マガジン: https://www.aist.go.jp/aist_j/magazine/20250604.html
 ナゾロジー: https://nazology.kusuguru.co.jp/archives/168697

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