METI-LISは、事業場などから大気に排出される諸化学物質の近傍暴露評価に活用できるように、経済産業省が計画・推進し、無償公開した低煙源工場拡散モデル(Low-rise
Industrial Source dispersion model)です。
METI-LISの特徴は、排出源近傍の建物等が拡散に及ぼすダウンドラフト効果を表現できるように特別の定式化を行った点にありますが、建物等の影響を受けない高煙突や建物データを入力しないときの計算は基本的なガウス型プルーム・パフ式となります。また、線源にも基本的なプルーム・パフ積分式で対応しています。重力沈降性の粒子状汚染物質にも対応しています。
METI-LISのバージョンアップとバグ修正の経過を本ページの最後に掲載します。
○ METI-LISのホームページは下記の産業環境管理協会のサイトにあります。モデルソフトおよび公式説明書をダウンロードできます。
http://202.214.40.151/CACHE/tech_details_detailobj1816.cfm(ここをクリック)
○ METI-LIS ver.2 活用術ノート(草稿)を公開します。
METI-LIS公開サイトから公式の取扱説明書が利用できますが、取扱説明書に十分な説明のない使用法をまとめました。ひととおりの操作に慣れたあと、改めて操作手順をひもとく程でもない疑問なども辞書感覚で調べられるようにしました。ただし「草稿」であり、特に第III章は未完成です。毎年一度程度、予告なく改訂を行っていきます。
「ここをクリック」PDFファイル、3MB
○ METI-LIS英語版(Ver. 2.03)には本ホームページの英文サイトからリンクします。
○アメダス観測年報CD-ROM(2004年版以降)のデータ変換ツール
アメダス観測年報CD-ROMフォーマットが2004年版から変更されたため、METI-LISモデルの長期気象データとしてCD-ROMをそのままでは利用できなくなっています。(2004年版 CD-ROMでは旧形式の圧縮データも収録されていたため、解凍すればMETI-LISでの利用が可能でしたが、2005年版からは新形式のデータのみとなりました。)
また、1976〜2004年のアメダスデータも、新規に購入する場合は「アメダス再統計値」CD-ROM6枚から抽出して利用することになりますが、このフォーマットも新形式に従っています。
本ツール(プログラム)は、新形式のアメダスCD-ROMのデータをMETI-LISで利用できる旧形式に変換するものです。
なお、本ツールの作成はNEDO資金によるものです。
→取扱説明書のダウンロード(ツールのダウンロード前にお読みください)
→アメダスデータ変換ツールのダウンロード
本モデルソフトウェア(METI-LIS Ver. 2)は当化学物質リスク管理研究センターのイニシアチブのもとに、以下の体制で開発されたものです。
◆出資 経済産業省産業技術環境局
産業技術総合研究所化学物質リスク管理研究センター
◆受託 産業環境管理協会(経済産業省分)
◆開発参加
METI-LIS開発検討委員会(委員長 工学院大学北林興二教授)
産業技術総合研究所化学物質リスク管理研究センター
三菱重工業株式会社長崎研究所
株式会社数理計画
○METI-LIS バージョンアップ経過
2001年 7月 Version 1 公開 基礎式の計算結果の簡易なディスプレイ
2003年12月 Version 2.00 公開 線源対応および沈降性粒子対応、データ入出力とディスプレイの飛躍的高度化
2004年 2月 Version. 2.01 軽微なバグ修正
Ver.2.00の不具合状況:
・長期気象による平均濃度計算の際、低煙源からの近傍地上濃度が5%ほど高めに計算されていました(20m高から排出の周囲200m圏内、という感じ)。高煙突の影響は逆にやや低めに出ていた可能性があります。(50m高からの排出で1km圏、という感じ)
2005年 7月 Version 2.02 英語版公開 (Ver. 2.02日本語版は10月公開)
Ver. 2.01からの修正点:
・特殊な条件設定で不具合を起こす数点のバグを修正しました。
・AMeDASデータ読込み(西日本のデータが一部読めないなど)の不具合を修正しました。
・精度向上のため建屋矩形化手法などの計算手法を見直しました。
・英語版ではアメダスCDは使えません。また、日本語版で作成した長期気象データをそのまま英語版で用いることは出来ません(地域に関するコードを追加記載する必要があります)。逆に英語版用に作成した長期気象データを日本語版で用いることは可能です。
・データ数の制限(理論上扱い可能であるデータ数の上限)緩和:
Ver.2.01では「計算点数×点源数×気象(時間)数=2147483647」であったものを、
Ver.2.02では「点源数×気象(時間)数=2147483647」としました。
2005年 11月 Version. 2.02 軽微なバグ修正
・修正以前のプログラムでは、巨大な建屋によりダウンドラフトが起きるとき、安定度階級A、E、Fでプルーム幅の不連続な変化が目立つ濃度分布が計算されるケースがありました。
2006年6月20日 かなり重大なバグ修正(Ver 2.03に変更)
Ver. 2.02からの修正点:
・バグフィックス(1)アメダスデータを利用する長期気象データの作成において、一部CD-ROMからの読み込みができない不具合があったため修正しました。
・バグフィックス(2)長期気象データを用いた計算に、アメダスCDデータでなくユーザー長期気象ファイルを用いた場合、点源・線源の稼動パターン(排出量の日変動)が正しく反映されず、該当月の0-1時の稼働率が時間によらずその月内使用されていました。Ver.2.02以前のバージョンでユーザー長期気象ファイルを用いた計算結果は日変動のない排出の場合のみ正しかったことになります。
・ロジックの見直し。沈着速度評価に用いる地上風速として、実煙突高さ風速を用いていたのを10m高さ風速としました。
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