標準 Standard

HP改訂:2021-09-14

熱力学温度

温度の単位はケルビン(K)であり、国際単位系SIの基礎単位の一つです。
SIにおいてケルビン(K)は、ボルツマン定数k単位J K−1 (kg m2 s−2 K−1に等しい)で表したときに、 その数値を1.380 649×10−23と定めることによって定義されています。 この定義により測定された温度が熱力学温度です。
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熱力学温度関連資料
(国際単位系(SI) 第9版(2019) 日本語版)

国際温度目盛

国際温度目盛は、熱力学温度と近似的に合うように作られた実用的な温度目盛であり、物質の相転移などを利用した温度定点(定義定点)と、その温度定点の間を補間する白金抵抗温度計や放射温度計など数種類の安定な温度計を利用して定義されています。
1927年に最初の国際温度目盛が定められ、精度向上等のために改訂が重ねられ、現在は1990年国際温度目盛(ITS-90)が使われています。
国際温度目盛による温度を記述する際にも、熱力学温度の単位と同様にケルビン(K)が用いられます。 日常生活で広く使われている、セルシウス度(°C)で表されるセルシウス温度の数値は、ケルビン(K)で表される温度の数値から273.15を引いたものです。 こちらも、熱力学温度と国際温度目盛による温度の両方で用いられています。

ITS-90関連資料
(ITS-90日本語訳ITS-90補足情報日本語訳)

接触式温度計による温度の標準供給

計量法で定める校正事業者登録制度(JCSS)として我々が標準を維持・供給している温度域は、

白金抵抗温度計:
−189 °C
(アルゴンの三重点温度)
to
962 °C
(銀の凝固点温度)
熱電対:
962 °C
(銀の凝固点温度)
to
1554 °C
(パラジウム点)

となっています。
これらの温度標準は、海外の標準研究機関と相互比較を行っており、国際的にも整合性が取れていることを確認しています。
現在、この温度標準をベースとした新規温度センサの開発・評価、温度計評価技術の開発、 および、熱力学温度など温度標準の高度化に向けた基礎研究を進めています。

(放射温度計による温度の標準供給については、光温度計測研究グループが担当しております。⇒研究グループHPへ)