校正 Calibration

jcss校正(特定標準器による校正)とは

計量標準総合センター(NMIJ)では、計量法により指定された特定標準器を用い計量標準の供給(校正等)を行っています。
電磁界標準研究グループでは、放射EMI測定用のループアンテナ、ダイポールアンテナ、広帯域アンテナのjcss校正、電界センサのjcssを実施しています。

■jcss校正(PDF 2.5MB) ※詳しい内容はPDFのリンクが別ウインドウで開きます

■jcss校正項目一覧

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グランドプレーン上2 mでの置換法による固定長エレメント型のダイポールアンテナの校正

当研究室では、30 MHz~1000 MHzの範囲のうち指定する24周波数に於いてダイポールアンテナアンテナ係数(AF)をJCSS供給( http://www.jcsslabo.or.jp/index.htm )している。この周波数範囲で使用されるダイポールアンテナは試験所等で主にサイト評価に使用されるため、精度の高い校正が必要である。
校正条件はグランドプレーン上高さ2 mにおける水平偏波である。アンテナに接続した受信器の指示電圧に校正されたAFを掛けることによって、アンテナ位置での電界強度を容易に推測することができる。そのため、AFは電界強度を測定する場合には有効なアンテナパラメータである。
ここでは、24の校正周波数でその対応する波長のおよそ1/2になる長さのエレメントを持つ特定標準器群をオープンサイト上で3アンテナ法にて校正する。さらに、この標準器を用いた被校正アンテナとの置換法で特定二次標準器の校正を行っている。

3アンテナ法による広帯域アンテナの校正

放射EMI測定に用いられる広帯域アンテナのjcss校正をオープンサイトで実施しています。
測定方法は、当研究グループが開発した「パルス圧縮と時間領域処理を用いた自由空間伝播波推定法(PDF 6.6 MB)」を用いて、3アンテナ法を用います。
jcss校正は、アンテナ間距離10 mの固定距離での自由空間アンテナ係数校正を実施します。
振幅中心法による遠方界利得、遠方界自由空間アンテナ係数の測定も可能です。

3アンテナ法によるループアンテナの校正

直径が10 cmのパッシブ型ループアンテナ(特定標準器、及び、特定二次標準器)の自由空間中における磁界アンテナ係数(S/m)を3アンテナ法で校正します。なお、周波数範囲は9 kHz~30 MHzです。

従来、この周波数帯は、航空や船舶の航法用の一部、アマチュア無線、無線操縦玩具などの一部の利用者にのみ使用されてきましたが、現在ではIH(Induction Heating)電磁調理器、 バーコードに代わる商品識別・管理技術用のRF−ID (Radio Frequency Identification)タグシステム、店頭で商品の盗難防止に利用されているタグ状アラーム装置(RF shoplifting alarm systems)や 電波時計用の信号などにも利用されており、この周波数帯域の電波利用と磁界測定のニーズが拡大しています。

標準電界法による電界センサの校正

放射イミュニティ試験で用いられる、電界センサのjcssによる校正を実施しています。校正は、G-TEMセルを用いて実施します。
・校正周波数範囲:20 MHz以上 2 GHz以下で23周波数ポイント
・電位の強さ10 V/m

jcss校正メニュー一覧

特定標準器による校正等を行う
計量器
内容 不確かさ
k=2)
固定長エレメント型のダイポールアンテナ
校正法:グランドプレーン上2 mでの置換法
校正範囲が周波数 30 MHz以上 1 GHz 以下のもの 0.7 dB
広帯域アンテナ
校正法:3アンテナ法
パルス圧縮と時間領域処理を用いた自由空間伝播波推定法(PDF 6.6 MB)
※PDFが別ウインドウで開きます)
バイコニカルアンテナ
電磁波の周波数が 30 MHz 以上 300 MHz 以下
(5 MHz 間隔で 55 周波数)
0.7 dB
0.5 dB

ログペリオディックアンテナ
電磁波の周波数が 300 MHz 以上 1 GHz 以下
(10 MHz間隔で 71 周波数)
0.5 dB


ボウタイアンテナとログペリオディックアンテナの複合アンテナ
30 MHz以上 300 MHz以下(5 MHz 間隔で 55 周波数)
300 MHz以上 1 000 MHz以下 (10 MHz間隔で 71 周波数)
0.5 dB


ループアンテナ
校正法:3アンテナ法
直径 10 cm パッシブ型ループアンテナ
周波数:9 kHz ~ 30 MHz
(基本 113 点;9 kHz ~20 kHz を 1 kHz 間隔, 20 kHz ~150 kHz を 5 kHz 間隔, 150 kHz ~1 MHz を 50 kHz 間隔, 1 MHz ~30 MHz を 500 kHz 間隔 )
0.4 dB~0.7 dB
9 kHz ~ 30 MHzの周波数範囲内であり上記以外の校正点1周波数点を追加ごとに追加料金が発生  
電界センサ
校正法:標準電界法
電磁波の周波数が20 MHz以上2 GHz以下の場合において、電位の強さが10 V/mのもの
1軸23 周波数につき 同一プローブの1軸の追加23 周波数