保有技術と可能な評価・検査
当研究グループでは、X線および中性子を活用した多様な評価・検査技術を保有しています。内部構造の可視化、欠陥検出、材料組織評価、残留応力評価、元素情報取得、その場観察など、対象や課題に応じた計測・分析が可能です。本ページでは、各技術の概要と主な適用対象をご紹介します。
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各技術の概要、得意とする対象、主な用途を一覧でご覧いただけます。
中性子ラジオグラフィ・CT
中性子ラジオグラフィおよびCTは、中性子の高い透過性を利用して、物体内部の構造や状態を非破壊で可視化する技術です。ラジオグラフィでは二次元透視像、CTでは三次元内部構造を取得することができ、外観からは分からない内部の特徴を詳細に把握できます。X線とは異なるコントラストが得られるため、金属部材内部や軽元素を含む対象の評価にも有効です。材料評価、部品検査、内部状態の可視化など、幅広い研究開発や産業利用に対応しています。産総研独自のnFPDを用いることで、面倒な課題申請等なく高速にラジオグラフィ・CTが取得可能です。
ポータブルX線イメージング
ポータブルX線イメージングは、可搬型のX線源と検出器を組み合わせることで、現場での非破壊検査を可能にする技術です。大型構造物や移動が困難な対象に対して、その場で迅速に内部状態を確認できることが特長です。インフラ構造物、設備部材、大型製品などを対象に、現場での点検や異常検出に活用できます。持ち運びや設置の柔軟性を活かし、実環境に近い条件での検査ニーズに対応します。
高エネルギーX線CT
高エネルギーX線CTは、高出力・高エネルギーのX線を利用することで、通常のX線では透過が難しい厚肉材や高密度材料の内部観察を可能にする技術です。大型金属部材、厚みのある構造体、高密度材料を対象に、内部欠陥や構造の非破壊評価を行うことができます。大型試料や産業部材の内部評価に適しており、通常のX線CTでは対応が難しい対象にも適用可能です。重厚長大な構造物や高密度材料の検査に有効です。
マイクロフォーカスX線CT
マイクロフォーカスX線CTは、微小焦点X線源を用いて高分解能な三次元内部観察を実現する技術です。微細欠陥、空隙、き裂、界面構造などを非破壊で詳細に可視化することができ、精密部品や材料試料の評価に適しています。小型試料や高精細な内部構造観察が求められる対象に対して、内部形状や微細構造を三次元的に把握できることが特長です。材料開発、品質評価、故障解析などに広く活用できます。
in-situ X線イメージング
in-situ X線イメージングは、材料や構造体の変化をその場で連続的に観察する技術です。静止状態の評価だけでは分からない変形、破壊、溶融、成長などの動的な現象を可視化できることが特長です。材料内部で何が起きているかを時間変化とともに把握することで、現象理解の深化やプロセス最適化につなげることができます。実際の使用条件や負荷条件に近い環境での観察に有効です。
金属溶融中のin-situ X線イメージング
金属溶融中のin-situ X線イメージングでは、加熱中あるいは溶融・凝固過程にある材料内部の状態や挙動を非破壊で観察することができます。凝固組織の形成、内部欠陥の発生、流動や相変化などをその場で可視化することで、材料プロセスの理解や製造条件の最適化に役立てることができます。鋳造や接合、熱加工などの研究開発において有用な技術です。
引張試験中のin-situ X線イメージング
引張試験中のin-situ X線イメージングでは、荷重を加えながら材料内部の変形、き裂発生、欠陥進展などを観察することができます。材料がどのように変形し、どの段階で破壊に至るのかを内部から把握できるため、破壊機構や変形挙動の理解に有効です。材料強度評価、破壊解析、新材料開発などに活用でき、力学特性と内部変化を結び付けた評価が可能です。
植物の非破壊イメージング・CT
植物の非破壊イメージング・CTは、植物体内部の構造や状態を壊さずに観察する技術です。根、茎、葉、果実などの内部構造や水分状態、成長過程の変化を可視化することができ、生体試料を継続的に観察できることが特長です。農学、植物科学、環境応答評価などに活用でき、試料を破壊することなく内部情報を取得できるため、時間変化を追跡する研究にも適しています。
中性子ブラッグエッジイメージング
中性子ブラッグエッジイメージングは、パルス中性子を用いて透過スペクトルを解析し、結晶組織、相分率、結晶方位、ひずみなどの情報を画像として可視化する技術です。単なる内部構造の観察にとどまらず、材料内部の状態分布を非破壊で把握できることが特長です。鋼材や自動車部品、電池材料などを対象に、材料特性や劣化状態の評価に活用されています。形状だけでなく材料内部の状態まで評価したい場合に有効な手法です。
中性子回折
中性子回折は、材料内部の結晶構造や残留応力を非破壊で評価するための有力な手法です。中性子は金属内部の比較的深い位置まで到達するため、厚みのある部材や実機に近い試料に対しても内部応力や相状態の評価が可能です。加工、溶接、熱処理などによって生じる材料内部の変化を把握し、部材の健全性評価や材料開発に役立てることができます。構造材料の信頼性評価やプロセス条件の最適化に有効です。
後方散乱X線検査装置
後方散乱X線検査装置は、対象物の片側からX線を照射し、散乱して戻ってきたX線を利用して内部情報を取得する技術です。透過法とは異なり、対象の両側にアクセスできない場合でも検査が可能であることが特長です。大型構造物、設置済み設備、片側しか 접근できない対象の検査に有効であり、現場での簡便な内部評価や異常検出に活用できます。現場適用性の高い非破壊検査技術の一つです。
X線ラミノグラフィ
X線ラミノグラフィは、平板状・薄板状の対象に適した断層撮像技術です。従来のCTでは観察が難しい大面積かつ薄い試料に対して、内部構造や欠陥を非破壊で評価することができます。電子基板、接合部、積層材料、薄板構造体などの内部観察に適しており、平面方向に広がる対象の評価に有効です。通常のCTでは捉えにくい対象に対して、新たな内部観察手段を提供します。
ロボット搭載X線検査装置
ロボット搭載X線検査装置は、ロボットアームにX線源や検出器を組み合わせることで、自動化された非破壊検査を実現する技術です。危険環境やアクセスが難しい場所での検査、複雑形状への追従、再現性の高い撮像が可能となり、作業者の被ばく低減や検査効率向上にもつながります。人手不足への対応や、より安全で効率的な検査システムの構築を目指した研究開発に取り組んでいます。
蛍光X線イメージング
蛍光X線イメージングは、試料から放出される蛍光X線を利用して元素分布を可視化する技術です。通常の透視画像では分からない組成の違いや元素の偏在を非破壊で把握できることが特長です。材料分析、異物検出、組成分布評価などに活用でき、どこにどの元素が存在するかを画像として示すことが可能です。形状情報に加えて元素情報を取得したい場合に有効な手法です。
即発ガンマ線分析
中性子と元素の反応によって発生する固有のガンマ線エネルギーを測定し、物体内に含有する僅かな元素を検出することが可能です。