シリコン単結晶球体(左)中の原子を数えることで、プランク定数にもとづく質量の基準を作り出すレーザー干渉計(右)
プランク定数を基準にしてミリグラム以下の微小な質量を精密に測定する電圧天びん
日本国キログラム原器(左)と質量標準供給のためのステンレス鋼分銅群(右)
空調機器の性能を評価するために必要な冷媒の広い温度・圧力範囲での密度を測定するシステム
空調機器の性能を評価するために必要な冷媒の音速および誘電率を測定するシステム
2019年5月、質量の単位「キログラム」の定義が改定され、世界に一つしかない分銅「国際キログラム原器」にかわって、普遍的な物理定数「プランク定数」が定義の基準になりました。この新たに基準となったプランク定数の値は、質量標準研究グループで開発した測定技術などによって決定されました。現在は、それらの技術を利用して、プランク定数にもとづく質量および密度の国家標準の設定および関連する計測技術の開発を実施しています。これらの標準や計測技術は、産業・科学分野における様々な測定の信頼性および国際整合性を確保するための技術基盤として用いられています。
研究テーマ
- プランク定数にもとづくキログラムの実現と標準供給
これまでにプランク定数を測定するために様々な技術を開発してきました。それらの技術を駆使して、新たにキログラムの定義の基準となったプランク定数にもとづき質量の基準を作り出し、産業・科学分野に供給しています。 - 微小質量測定技術の開発
創薬やインクジェット技術などの分野で必要とされる高精度な微小質量測定を可能とするために、新たなキログラムの定義を利用した「電圧天びん」の研究開発を実施しています。 - アボガドロ国際プロジェクト
シリコンの三種類の安定同位体(28Si、29Si、30Si)のうち、28Siの存在比を99.99 %以上に高めた28Si同位体濃縮結晶を用いた研究開発を、国際研究協力「アボガドロ国際プロジェクト」のメンバーとして実施しています。 - 密度測定技術の開発
プランク定数にもとづく高精度密度測定技術を開発し、コーティングなどの特性評価に必要な薄膜密度計測、気候変動シミュレーションに不可欠な高精度海水密度計測等へ展開しています。
連絡先
グループリーダ:
E-mail: <at> aist.go.jp
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