活動紹介
ネイチャーポジティブ那須野が原アライアンス キックオフワークショップ報告
ネイチャーポジティブ那須野が原アライアンス参加者及び関係する36機関、93名のステークホルダーにお集まりいただき、現状の共有と将来を考えるワークショップを11月17日(ワークショップ)、11月18日(エクスカーション)に開催いたしました。
WEB版報告書目次
報告書PDF版と同じです
1. プログラム
♦2025年11月17日(月)
キックオフワークショップ:11時〜16時30分
場所:大正堂くろいそみるひぃホール 小ホール
- 11:00 開会:司会 保高徹生(産総研NPセンター副センター長)
- 11:05 市長挨拶 :渡辺市長
- 11:10 NPNAの趣旨説明 :瀧口副市長
- 11:20 今日の進め方・目標・参加者紹介 :保高徹生
- 11:35 国の取り組み:環境省 (10分)
- 11:45 研究機関の那須塩原での研究活動の共有 (25分)
- 12:45 地域の活動を共有 (60分)
- 13:45 地域の(企業)活動の共有 (50分)
- 14:35 外部機関の活動の共有 (30分)
- 15:10 ワークショップ説明(16班に分かれて実施)
- 15:20-16:00 ワークショップ
- 16:00-16:20 ワークショップの結果の共有
- 16:20 会のまとめ:産総研 保高 副センター長
- 閉会挨拶 国環研 阿久津 チーフコーディネーター
那須塩原市 瀧口 副市長
♦2025年11月18日(火)
2. 参加者一覧
初日のワークショップは、大正堂くろいそみるひぃホール 小ホールで開催され、36機関から93名の方に参加を頂きました。
環境省、那須塩原市、大田原市、19社の民間企業、国立研究開発法人、大学、ボランティアの会、NPO、学校、研究機関、行政機関、個人会員など、多種多様なステークホルダーが集まり、開催されました。
NPNAの会員とキックオフワークショップの参加機関を以下に示します。
NPNA会員とキックオフワークショップ参加機関(◯がキックオフワークショップ参加機関)
- ホウライ株式会社 (企業・法人)
- 白河信用金庫 (企業・法人)
- ◯株式会社足利銀行 (企業・法人)
- ◯株式会社環境総合研究所 (企業・法人)
- 学校法人アジア学院 (企業・法人)
- ◯セイコーNPC株式会社 (企業・法人)
- ◯株式会社栃木銀行 (企業・法人)
- ◯株式会社那須環境技術センター (企業・法人)
- 那須信用組合 (企業・法人)
- ◯鈴木電機株式会社 (企業・法人)
- 有限会社那須住宅 (企業・法人)
- 株式会社 KANSEI Design Limited (企業・法人)
- ◯ナニックジャパン株式会社 (企業・法人)
- 宮沢建設株式会社 (企業・法人)
- 株式会社ブリヂストン (企業・法人)
- ◯株式会社資生堂 (企業・法人)
- ◯株式会社 National Park Solutions (企業・法人)
- ◯大田原信用金庫 (企業・法人)
- ◯八千代エンジニヤリング株式会社 (企業・法人)
- 那須どうぶつ王国 (企業・法人)
- アサヒ飲料株式会社 (企業・法人)
- ◯カゴメ株式会社 (企業・法人)
- ◯MS&ADインターリスク総研株式会社 (企業・法人)
- ◯B.A.U.M. Consult Japan 株式会社 (企業・法人)
- ◯那須野ヶ原みらい電力株式会社 (企業・法人)
- ◯富士通株式会社 (企業・法人)
- ◯株式会社バイオーム (企業・法人)
- 青葉組株式会社 (企業・法人)
- 一般社団法人 青空プロジェクト THE DAY (自治体・NPO・その他)
- ◯那須塩原環境ボランティアの会 (自治体・NPO・その他)
- 那須塩原市森林組合 (自治体・NPO・その他)
- 那須野ヶ原土地改良区連合 (自治体・NPO・その他)
- ◯特定非営利活動法人 1000年の森を育てるみんなの会 (自治体・NPO・その他)
- 東京大学大学院農学生命科学研究科 水域保全学研究室 (大学・教育機関・研究機関)
- 個人会員(5名中2名参加) (個人)
※MS&ADインターリスク総研株式会社の関連会社として、三井住友海上火災保険株式会社・栃木支店宇都宮支社も参加
キックオフワークショップ参加 行政・学術機関
- ◯大田原市役所
- ◯栃木県なかがわ水遊園
- ◯栃木県水産試験場
- ◯栃木県立那須拓陽高等学校
- ◯那須塩原市動植物調査研究会
- ◯国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構農村工学研究部門
- ◯宇都宮大学
- ◯那須野が原博物館
- ◯環境省
- ◯東北大学 ネイチャーポジティブ発展社会実現拠点
- ◯那須塩原市
- ◯国立研究開発法人 産業技術総合研究所 ネイチャーポジティブ技術実装研究センター
- ◯国立研究開発法人 国立環境研究所 気候変動適応センター
- ◯ネイチャーポジティブ那須野ヶ原アライアンス事務局
- ◯那須塩原市
- ◯国立研究開発法人 産業技術総合研究所 ネイチャーポジティブ技術実装研究センター
- ◯国立研究開発法人 国立環境研究所 気候変動適応センター
ネイチャーポジティブ那須野ヶ原アライアンス事務局
- ◯那須塩原市
- ◯国立研究開発法人 産業技術総合研究所 ネイチャーポジティブ技術実装研究センター
- ◯国立研究開発法人 国立環境研究所 気候変動適応センター
上記以外に加入検討中の企業から2名参加。
3. サマリー(概要)
2025年6月に設立された「ネイチャーポジティブ那須野が原アライアンス(以下、NPNA)」では、参加者や近隣の関係者の相互の情報共有により、地域の自然環境・自然資本の状況が分かる、ネイチャーポジティブ活動に参加できる、といったメリットや、これらを通じて参加する企業や団体の社会的価値の向上につながる活動を開始しました。
この度、アライアンス参加者及び関係する93名のステークホルダーにお集まりいただき、現状の共有と将来を考えるワークショップを11月17日(ワークショップ)、11月18日(エクスカーション)に開催いたしました。
市長挨拶でスタートしたワークショップは、情報共有パートとワークショップパート、エクスカーションを通じて、共通知の構築(那須野が原を知る、世の中の流れを知る)、双方向対話(お互いを知る)ができたと感じております。
16班に別れたワークショップのファシリテーターの方からの発表を整理したところ、以下の7つのキーワードが抽出されました。
自然資本に関わる話題だけでなく、教育や社会・経済的な要素に関する話題が多く出ていたことが特徴的であり、多様なステークホルダーが関与する重要性が示されたました。
12月を準備期間と位置づけ、2月の第2回ワークショップに向けて、勉強会、連携活動等を進めてまいります。このワークショップが、那須野が原のネイチャーポジティブ連携のきっかけになるとともに、世界でも取り組みが始まったばかりの地域のネイチャーポジティブの先駆的事例になることを期待します。
開催にあたり、協力をいただいた多くの皆様に感謝申し上げます。
文責:NPNA事務局 保高徹生(産業技術総合研究所 ネイチャーポジティブ技術実装研究センター 副センター長)
4. キックオフワークショップの目的
ネイチャーポジティブ那須野が原アライアンスでは、5つのステップで活動を進めていく予定です。
- 共通知の構築(那須野が原を知る、世の中の流れを知る)
- 双方向対話(お互いを知る)
- 活動・ゴール設定
- 協働、協同
- PDCAによる振り返りと活動・ゴールの再設定(3.に戻る)
今回のワークショップ、エクスカーションではその第一歩として、1.共通知の構築(那須野が原を知る、世の中の流れを知る)2.双方向対話(お互いを知る)を目的としました。
5. キックオフワークショップ(1日目)
5. 1.市長挨拶
ネワークショップは渡辺美知太郎氏(那須塩原市長)からのご挨拶で始まりました。いつも通り、「みんな、ネイチャーポジティブやっているかーーー?」の大きな掛け声を頂きました。
「今回がネイチャーポジティブ那須野が原アライアンスのはじめてのワークショップであり、那須野が原で活動している多くの方の発表を聞けることを楽しみにしている。参加者全員で意識を共有してワークショップに参加をして頂きたい。今回が始まりであり、今後につなげていきたい」との挨拶をいただきました。
渡辺市長のご挨拶
5. 2.趣旨説明
続いて、瀧口晃氏(那須塩原市副市長)からの那須野が原の自然及びネイチャーポジティブ那須野が原アライアンスの説明がありました。
ネイチャーポジティブ那須野が原アライアンスが発足した経緯や目的の説明がありました。特に参加機関・個人間のネットワークの重要性について言及を頂きました。その後、那須野が原の成り立ち、地形や自然、地下水、農業、生態系について、地域ごとの特徴を踏まえたご説明を頂きました。
瀧口副市長のご挨拶
ネイチャーポジティブ 那須野が原アライアンスの仕組み
5. 3.目的・会の進め方
本ワークショップの進め方について保高徹生氏(産業技術総合研究所 ネイチャーポジティブ技術実装研究センター副センター長)から説明がありました。
NPNAとワークショップの進め方資料(産総研 保高副センター長)
産総研 保高氏の進め方の説明
「NPNAでは、5つのステップで活動を進めていきたいと考えています。
1.共通知の構築(那須野が原を知る、世の中の流れを知る)
2.双方向対話(お互いを知る)
3.活動・ゴール設定
4.協働、協同
5.PDCAによる振り返りと活動・ゴールの再設定(3.に戻る)
です。
本日のワークショップ、明日のエクスカーションではその第一歩として、
1.共通知の構築(那須野が原を知る、世の中の流れを知る)
2.双方向対話(お互いを知る)
を実施します。
本日の前半の皆様の活動報告や環境省の説明のセッション、そして、明日のエクスカーションでは、共通知の構築(那須野が原を知る、世の中の流れを知る)を行います。また、本日後半のワークショップを通じて、双方向対話(お互いを知る)を行います。
そのプロセスにおいて、皆さんの中で『具体的にどんな活動をすればよいのか?』、『こんなNPNAだといいかも(NPNAのあるべき姿)』について、考えていける機会になればいいなと考えております。
本日をキックオフとして、3月くらいまでに活動指針を決めていきたいと考えております。本日はよろしくお願いします。
5つのステップ
図 NPNAの取り組みの5つのステップ
図 今後の進め方(案)
5. 4.国の動向
次に環境省自然環境局自然環境計画課地域ネイチャーポジティブ推進室 吉田氏から国の取り組みについてのご説明を頂きました。国際的な動向から最近の環境省の取り組み、本アライアンスに対する期待など、わかりやすくお話をいただきました。
環境省吉田氏の説明
5. 5.研究情報共有セッション
国立環境研究所、農業・食品産業技術総合研究機構、産業技術総合研究所から、那須野が原で取り組んでいる研究の説明がありました。
- 那須野が原で国立環境研究所が取り組みたいこと(国環研 阿久津氏)
- 那須地域の地下水について-那須野が原扇状地の地下水に関するこれまでの研究から-(農研機構 土原氏)
- 那須野が原の地下水位に対する気候変動の影響の検証(農研機構 福元氏)
- 那須野が原における広域水環境調査の紹介(産総研 松本氏)
- 産総研NPセンターの那須野が原における調査研究活動(産総研 保高氏)
国環研 阿久津氏研究成果報告
農研機構 福元氏の研究成果報告
5. 6.参加機関の情報共有
お昼からは、地域の生物多様性・自然資本に関する活動の共有、地域の企業活動の共有、外部機関の活動の共有として、23機関・個人から5分ずつのショートプレゼンをして頂き、那須野が原のネイチャーポジティブに関する基盤情報の共有を実施しました。各機関5分と短い時間でしたが、濃密な時間を頂きました。参加者からはもっと話を聞きたかったとの意見をいただきました。以下、各発表の事務局による要約です。
セッション1:地域の活動の共有する
3-1 那須塩原市ネイチャーポジティブ課:生物多様性地域戦略
那須塩原市の生物多様性地域戦略について、50by30目標、湿原保全、外来種対策、農業生態系保全など、重点プロジェクトの概要を紹介。
3-2 那須塩原市動植物調査研究会
植物・哺乳類・鳥類・両生類爬虫類・魚類・昆虫の専門部会を中心に、市からの委託で2005年から市域を4分割して動植物調査を継続。結果はレッドデータブックとして集約・公開している。
3-3 那須塩原環境ボランティアの会
沼ッ原湿原でニホンジカ食害を受けたニッコウキスゲの回復をめざし、市民ボランティアによる食害防止ネットの設置・維持管理などの継続的な活動を紹介。
3-4 1000年の森を育てるみんなの会
地域の水の重要性を認識し、那須野が原の森林文化を育むために、市民とともに間伐を行い、間伐材の地域内循環や中学校での環境出前授業などに取り組む活動を紹介。
3-5 木村康夫氏(那須文化研究会(会長))
那須野が原の歴史文化を学ぶ中で、人々が自然とかかわってきた歴史や自然の重要性を認識し、文化と自然の関係性に関心を持ちながら活動していることを紹介。
3-6 なかがわ水遊園
淡水魚専門の水族館として、ミヤコタナゴ・イトヨの保全やウチダザリガニ駆除などの地域活動を実施。出張授業など教育事業を通じ自然に親しむ場を提供し、那珂川水系の調査にも取り組む活動を紹介。
3-7 栃木県水産試験場
那須野が原に生息する太平洋系陸封型イトヨの特徴と生息状況を紹介し、モニタリング調査や生息地復元など、保全に向けた取り組み事例を説明。
3-8 那須拓陽高校
高校生が主体となり、ミヤコタナゴの野生復帰を目指して行う、水路新設、タナゴ類・二枚貝類のアンケート調査、マツカサガイ繁殖試験など、学校発の生物多様性保全活動を紹介。
3-9 那須野が原博物館
那須野が原の開拓と自然文化のいとなみ」をテーマに、自然・人文の両分野での資料収集・保存、調査研究、展示や教育講座などの教育普及活動を紹介。
セッション2:地域の(企業)活動の共有する
3-10株式会社資生堂
那須工場は、那須野が原扇状地の扇端に位置しており、湧水・地下水が豊富。流域でのサステナブルな水資源管理実現を目指し、那須拓陽高校等ステークホルダーとの連携した活動を紹介。今後はNPNAと連携し推進していく
3-11那須野が原みらい電力株式会社
電力販売、脱炭素、レジリエンス強化・地域経済活性化等の活動をしいる。那須疎水の折戸発電所等の地域事業所への電力供給、地域貢献事業として地元の小中学校に環境教育などの活動を紹介。
3-12富士通株式会社
富士通の那須工場及び富士通全体としての地球環境問題への対応、生物多様性に関する技術(鳥類の鳴き声のAI解析技術等)を紹介。那須工場を中心にNPNAと連携活動を進めていきたい。
3-13鈴木電気株式会社
創業1946年で那須野が原地域の井戸掘削をスタートし、電気工事・設備工事を中心として、太陽光発電や蓄電所建設などの紹介。これからは地域資源をエネルギーに変えていきたい。
3-14株式会社環境総合研究所
埼玉県川越市の環境コンサルタントとして、TFND登録などを支援、自然環境調査等のネイチャーポジティブに関する自社事業および事例を紹介。
3-15 株式会社那須環境技術センター
省エネルギーおよび水処理技術、環境調査・測定・分析、げんごろうの会等との 地域連携活動(水生生物調査)、新たに設立した那須環境共創ラボ等の紹介。
3-16株式会社足利銀行
めぶきフィナンシャルグループおよび足利銀行のサステナビリティ方針、5つの重要課題、「脱炭素社会・環境保全への貢献」に対する自行の取り組みやお客さまへの支援内容、自然資本においては地域の特性を踏まえた分析や取り組みが重要であることの紹介。
3-17株式会社栃木銀行
自社のサステナビリティ方針や地域内経済循環、地域企業や皆様との成長に向けた活動の紹介。また、NP経済の実現に向けて、那須塩原市と5つの金融機関で共同宣言を実施し、関連する様々な勉強会を実施していることの紹介。
セッション3:外部機関の活動を共有する
3-18 八千代エンジニヤリング株式会社
NPの実現に向けて、ランドスケープアプローチで、地下水や流域の水の流れの可視化や地域の方々を巻き込んだ取り組みの紹介。Japan water stewardshipにも参画をしている。
3-19 B.A.U.M. Consult Japan 株式会社
ドイツに本社があり、環境/エネルギーセクターのコンサルティング会社として展開している事業内容を紹介。NPNAではwater footprint算定コンサルティングで貢献可能性あり。
3-20 MS&ADインターリスク総研株式会社
自社事業で自然をほとんど使わないが、お客様が自然資本を使用するので、リスクソリューションのプラットフォーマーとして保険等のサービスを提供している。地球環境との共生が一番重要でその上に社会経済がある。グローバルと地域の両方で多数の活動に参画している。
3-21株式会社National Park Solutions
国立公園を次の世代に残すための活動をしている。国立公園をテーマとしてモノづくり(ファッション)をして、その利益を保全のために寄付をしている。今年の10月には沼ッ原湿原に自然共生ベンチを導入した。那須塩原市とは、2050年サステナブルビジョンを掲げたもの同士ということでTシャツを作成、NPNAのためのTシャツもデザイン。
3-22株式会社バイオーム
120万人以上の登録者がいる、いきものコレクションアプリ「Biome」を開発。アプリを用いた活動やTNFDレポート等の作成サポートなど、これまで400企業、70の自治体/官公庁と生物多様性連携してきた活動の紹介。
3-23東北大学NP社会実現拠点
STの共創の場形成支援プログラム(COI-NEXT)で、2024年に設立した東北大学NP社会実現拠点の紹介(産総研、国環研も参画。)。「地域のネイチャーポジティブ活動の手引き」も紹介。
那須塩原市動植物研究会 君島氏
資生堂 田口氏
那須塩原環境ボランティアの会
那須拓陽高校 池田氏
鈴木電気 鈴木氏
MS&AD 沖氏
5. 7.ワークショップ
15時20分からは、異なる分野の方5-6名で1班をつくり、計16班でワークショップを開催しました
- 那須野が原において重要だと思う自然資本、危機に瀕している自然資本
- それらの自然資本を保全・発展させるために、各参加者の所属・立場の視点でできることは何か?
- NPNA及び参加メンバーで、今後どのような連携が考えられるか。
40分のワークショップの時間はあっという間に過ぎ、16名のファシリテーターの方から各班の議論の内容を整理して発表を頂きました。
1班
2班
3班
4班
5班
6班
7班
8班
9班
10班
11班
12班
13班
14班
15班
16班
ワークショップの様子
ファシリテーターの方の発表内容から、Copilotを用いたサマリー作成及びテーマ別マップ(クラスタリング)を行いました。
まずテーマ別のマッピングの結果、図に示す7つのトピックスが抽出されました。水・地下水・源泉、森林・里山・平地林、生物多様性・外来種、モニタリング・データ等の自然資本に関わる話題だけでなく、産業・経済・資金、連携・アライアンス・ルール、教育・人づくり・普及といった社会・経済的な要素に関する話題が多く出ていたことが特徴的でした。
図 ワークショップで出た意見のテーマ別のマッピング
また、Copilotを用いて3つのテーマをベースとしたサマリーを以下に示します。参加者の皆様、ファシリテーターの方、ありがとうございました。
①那須野が原の特性とアライアンスの意義
那須野が原は多様な自然資産と産業が共存する地域であり、企業・行政・研究機関が連携する意義が大きい。中小企業の情報共有や、50年分の水データを持つ企業から研究機関へのデータ提供提案など、地域の知見を生かす動きが見られる。企業自身がフットプリント見直しを行う契機にもなっている。NPNAによる顔の見える関係性は、人づくりや地域デザインなど、行政や大学とも協力しながら人材育成や地域の未来像を共に描ける場となり得る。アライアンスの価値は、多様な主体が自然資本に向き合い、持続可能な地域づくりを進める基盤を整える点にある。
② 自然資本の危機と観測・可視化の重要性
地域では、生物多様性の低下、外来種の増加、森林の減少、源泉枯渇のリスクなど、自然資本の危機が顕在化している。シカやカミキリムシによる植生への影響、土砂崩れ防止に関わる植物の役割など、動植物の動態を観測し続ける必要性は高い。住民からも水生昆虫やイモリが減少したという実感が寄せられており、科学的知見と住民の体感が重なりつつある。企業は技術・AI・分析によって貢献でき、金融機関はポジティブな取り組みを評価する仕組みづくりを議論している。自然資本の状況を「見える化」し、市民に伝え、教育現場にもNP概念を取り入れることが、理解と行動を促す土台となる。
③ 持続可能な地域づくりと連携の未来
土地利用や森林保全には、企業・研究機関・自治体・保全団体が役割を分担しながら進める協働体制が重要である。モニタリングや分析で得た知見を教材化し、地域へ循環させる仕組みも求められる。豊富な水資源を守るためには地下水の適切な管理が不可欠で、産業・経済との結びつき、ブランド化や認証制度の活用など、持続可能なビジネスモデルの構築も視野に入る。水・森林・生態系は相互に関係しており、一つに絞れない課題こそ、異なる主体がつながる意義がある。NPアライアンスは、これまで接点の少なかった組織同士が共通課題を共有し、新しいアクションを生み出す場であり、地域の未来を実践的に形づくる推進力となる。
5. 8.クロージング
クロージングとして、NPNAの事務局である保高氏(産総研)、阿久津氏(国環研)、瀧口氏(那須塩原市)により、まとめと挨拶がありました。
保高氏(産総研)
NPNAには多様なプレイヤーがいて、和気あいあいと協働しやすい環境がある。自然資本の維持だけでなくお金が回る仕組みや次世代教育が重要であり、今後さらに議論を進めたい。勉強会を実施し、2〜3月に再度ワークショップを開催する予定である。引き続きのご協力、よろしくお願いします。
阿久津氏(国環研)
国環研としては各ステークホルダーの活動を整理したいという目的があったが、今回のワークショップで多様な方々のお話を聞けたことが有意義だった。このようなNPNAが形成されたことがすばらしく、今後うまく継続していきたい。
瀧口氏(那須塩原市)
半袖のTシャツ(NPNAロゴ入り)は、ジャケットを上にきれば意外と寒くない。おしゃれにかっこよくNPを進めていきたい。NPNAをこんなふうにやっていくのがよいかというアイデアをもらえた。是非近くの企業さんもお声がけください。引き続きのご支援、よろしくお願いします。
6. エクスカーション(2日目)
2日目のエクスカーションは、那須野が原地域の現地視察、地下水・環境DNA調査として、大沼公園、蛇尾川の洗い越し、那須野が原博物館見学、乃木清水、なかがわ水遊園の見学を実施しました。バスの車内では、木村康夫さん(那須文化研究会(会長)による那須野が原の歴史や文化、自然に関するご説明を頂きました。木村さん、大変勉強になりました。ありがとうございます。
6. 1.大沼公園
大沼公園は、新湯富士の東側に広がる湿原で天然記念物のモリアオガエルの生息地として知られています。また、ミズバショウの群生なども見られます。この地域は高原山系の火山活動に伴う亀裂群等の地形に起因して多く湿地が掲載されています。
大沼公園では、那須塩原市 動植物研究会の会長の君島章男氏から大沼公園のミズバショウの群生地で鹿の食害が発生していること、食害防止用の柵を設置したが、元の大きさの花が咲くまでに数年以上かかったこと、常時観察して環境の変化に早く気付くことが保全の鍵であることのお話をいただきました。君島先生、ありがとうございました。
大沼での君島先生の説明
シカ柵 ミズバショウ
大沼での集合写真
6. 2.蛇尾川の洗い越し、那須野が原博物館
尾川の洗い越しは、国道が川床を横切る、全国的にも珍しい場所です。那須野が原博物館の多和田様より、蛇尾川の成り立ち、地質について、詳細な御説明を頂きました。洗い越し付近では、伏流水として水が流れているが、下流側の扇央部と扇端部の間で、水が表面に現れる境界が観察されること等、ご説明を頂きました。また、那須野が原博物館でも那須野が原の成り立ち、文化、利水、地質、動植物、様々なことを学ばせて頂きました。
多和田様、ありがとうございました。
多和田さんの説明
蛇尾川の洗い越し(川の上に道路!)
那須野が原博物館の見学
6. 3.乃木清水の湧水および環境DNA採取手順の見学
乃木清水は、乃木神社の樹林内に湧き出す泉で、陸軍大将乃木希典(まれすけ)が、この地で生活している時は顔を洗ったと言われています。泉は、5月頃から翌年1月頃にかけて、出釜(でがま)部や清水の流れに沿ってしみ出すように湧き出します(那須塩原市HPより)。
乃木湧水(水が少ない!)
環境DNA実演
乃木湧水の見学時は湧水量が非常に少なく、“水たまり”程度の湧水だまりしか確認できませんでした(事務局、ちょっと焦ったのは内緒です。)。水路の水も多くは伏流しており、下流の水路や池は底が見える状態でした。11月であったが、降水量が少ないタイミングでは、湧水量が減少することを実際に確認できました。
参加者からは、事前に見学した「洗い越し」や博物館での伏流・扇端・地質境界付近での湧水に関する説明を踏まえ、上流域で浸透した地下水が乃木清水で湧水として地表に現れるイメージを持つことができた、との意見がありました。
また、現地で環境DNA採取の見学を実施した。従来法であるステリベクスフィルターを用いた採取方法を実演、参加者にも体験をして頂いた。また、参加者の中には地下水位を測定する水位計を見たことがない人もいたため、水位計(センサーが水面に触れると音が鳴るタイプ)の実演も行いました。
松本さん、ありがとうございました。
6. 4.なかがわ水遊園
なかがわ遊水園は、平成13年7月開園、公益財団法人栃木県農業振興公社が栃木県の指定管理により管理・運営されている。25haの広大な敷地の中に水生生態系に親しみながら学べる施設が配置されています。
当日は、なかがわ遊水園の渡辺様より、ご説明を頂いた後に館内をご案内しました。那珂川の源流から下流にかけての多くの魚が淡水魚を中心に展示されておりました。昨日から話題に上がっておりましたイトヨやミヤコタナゴも確認することができました。
さらに、先にいくとアマゾンの巨大な魚ピラルクの捕食の様子を頭上に見ることが出来る水槽と、コンパクトな館内に広大な水の世界が広がっていました。
渡辺様、ありがとうございました。
渡辺さんの館内案内
ミヤコタナゴ
なかがわ水遊園での集合写真
7.アンケート
7. 1.満足度
満足度アンケートを取らせて頂きました。4.51と高い評価を頂きました(5が最高です!)。
7. 2.NPNAでしてみたい活動
皆様にNPNAでどんな活動をしてみたいか聞いたところ、どの活動も意欲が高めでした。ありがとうございます。
7. 3.キックオフワークショップの感想
多くの方から感想をいただきました。共有をさせて頂きます。
- 多くの方が参加されるなか、参加意図が理解できるキックオフでした。
- 楽しかったです。やはり、立場の違う人間が一同に介するというのがネイチャーポジティブを進めるためには重要と思いました。参加者の皆さんも楽しんでいらっしゃるように見えました。
- 全体の流れ、ご参加されている皆様のお取組みが知れて大変勉強になりました。
- 全員参加型のアライアンスになっていく期待感があった。進行の保高さんのお人柄が出ていて雰囲気が良かった。
- 参加メンバーから本気度が伝わった。
- たくさんの関係者の方々の取組を知ることができ、今後の連携に向けて大変参考になった。
- 研究機関や企業、団体など、ネイチャーポジティブに関わる様々な方と交流ができて、非常に有意義でした。
- 那須塩原市に愛着のある住民の方から生の地域課題の声を聞けて、非常に勉強になるイベントでした。懇親会で仲が深められたのもありがたかったです。
- 社外の人との意見交換が出来て良かった。社内では無い発想など参考になった。
- 色々な立場の方と話しができて良かった。
- (ワークショップで)企業参加者が班に1名しかいないので、もう少し参加者がいないと企業側の状況が説明不足となる。
- いろいろな方の意見が聞けて良かった。
- すごく勉強になりました。また、こういう場所でNPを頑張らねばと想いを新たにしました。
- 参加団体の活動内容が聞けて良かったが、時間が短い。
- フランクな雰囲気のワークショップで良かったと思います。
- 皆さんの話を聞き、ネイチャーポジティブに対して様々な立場で活動されていることを知ることができ、わくわくするワークショップになりました。
- たくさんの企業・団体が集まり、熱量もたかく、今後の活動に期待しております。
- グループのメンバー割り振りがバラエティに富んでいてよかったなと思います。なるべく同じ業界に固まらないようにされたのでしょうか。
- たくさん勉強させていただきました。普段の業務で中々触れることのない生の自然を体感することができました。
- 那須塩原市の自然の現状を知ることができ、大変有意義な機会となりました。
- 色々と手配をして下さり、ありがとうございます。非常に学びになりました。引き続きよろしくお願いいたします。
- 保高先生や瀧口副市長を中心に、運営サイドが一生懸命準備、活動されている印象が強く残りました。
- 多様な背景をもつ参加者が集まって高い熱量を感じられた。非常に期待を持てる場であった。
8. 今後の予定
12月を準備期間と位置づけ、2月の第2回ワークショップに向けて、勉強会、連携活動等を進めてまいります。このワークショップが、那須野が原のネイチャーポジティブ連携のきっかけになるとともに、世界でも取り組みが始まったばかりの地域のネイチャーポジティブの先駆的事例になることを期待します。
9. 謝辞
本キックオフワークショップ開催にあたり、ご協力を頂いた皆さま、エクスカーションでご説明を頂いた皆様に感謝申し上げます。また、株式会社カゴメ様からは、ジュースの差し入れをいただきました。重ねて御礼申し上げます。
