5.3. 輝度パラメータ
DN値からラジアンスに変換するには単位変換係数を用いる。単位変換係数は1DNに対応したラジアンスである。 ラジアンスはW/(m
2
srμm)の単位で表され、基本的には全運用期間中同じ値を採用する方針である。 DN値とラジアンスの関係を以下に示す。また、Figure 5-5に図示されている。
DN値0をダミー画素に割り当てる。
DN値1を0ラジアンスに割り当てる。
VNIRとSWIRバンドに対しては、DN値254を最大ラジアンスに割り当てる。
TIRバンドに対しては、DN値4094を最大ラジアンスに割り当てる。
VNIRとSWIRに対しては、DN値255を飽和画素に割り当てる。
TIRに対しては、DN値4095を飽和画素に割り当てる。
Figure 5-5 DN値とラジアンスの関係
最大ラジアンスは、Table 5-3に示すようにスペクトルバンドとゲイン設定に依存する。
Table 5-3 最大ラジアンス
Band
No.
Maximum radiance (W/(m
2
srμm))
High gain
Normal gain
Low gain 1
Low gain 2
1
170.8
427
569
N/A
2
179.0
358
477
3N
**
106.8
218
290
3B
**
106.8
218
290
4
27.5
55.0
73.3
73.3
5
8.8
17.6
23.4
103.5
6
7.9
15.8
21.0
98.7
7
7.55
15.1
20.1
83.8
8
5.27
10.55
14.06
62.0
9
4.02
8.04
10.72
67.0
10
N/A
28.17
*
N/A
N/A
11
27.75
*
12
26.97
*
13
23.30
*
14
21.38
*
Note:
*
Blackbody radiance at 370 K y
**
Apparent gain is 2.0412, slightly different from the nominal high gain value of 2.0.
基本的にはハイゲインとローゲインの最大ラジアンスは、ノーマルゲインの最大ラジアンスを公称のゲイン値で割った値である。 但し、バンド3Nと3Bについては、最大ラジアンスは上記方針で求めた値より僅かに小さい。 予想より大きなオフセットのために、原則通りに規定すると255より小さなDN値ですでに飽和している可能性がでるためである。
単位変換係数は以下の式で求められる。
L
ni
= L
maxi
/253 (VNIR and SWIR バンド)
L
ni
= L
maxi
/4093 (TIR バンド)
ここで、
L
ni
: DNからバンドiのラジアンスへの変換係数
L
maxi
: バンドiの最大ラジアンス
Table 5-4に各バンドの単位変換係数を示す。
Table 5-4 単位変換係数
Band
No.
Maximum radiance (W/(m
2
srμm))
High gain
Normal gain
Low gain 1
Low gain 2
1
0.676
1.688
2.25
N/A
2
0.708
1.415
1.89
3N
0.423
0.862
1.15
3B
0.423
0.862
1.15
4
0.1087
0.2174
0.290
0.290
5
0.0348
0.0696
0.0925
0.409
6
0.0313
0.0625
0.0830
0.390
7
0.0299
0.0597
0.0795
0.332
8
0.0209
0.0417
0.0556
0.245
9
0.0159
0.0318
0.0424
0.265
10
N/A
6.882 x 10
-3
N/A
N/A
11
6.780 x 10
-3
12
6.590 x 10
-3
13
5.693 x 10
-3
14
5.225 x 10
-3
以上に記述したことから、DN値は以下の式でラジアンス値に変換できる。
ラジアンス = (DN 値 -1) x 単位変換係数