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ユーザーズガイド



2.6. 視差誤差補正

Figure 2-3(a)に示すようにSWIRのバンドの検出素子の焦点面への各バンドの配置において衛星進行方向に大きなオフセットが存在する。このオフセットが衛星と観測点の距離に依存して生じるバンド間レジストレーションへの視差誤差の発生要因になる。この視差誤差を補正するアルゴルズムは以下に述べるように、画像合わせと、粗いDEM データベースの利用の組み合わせでなされる。EROSデータセンターによって作成されたETOPO-030が粗いDEMデータベースとして用いられる。

画像合わせに用いるバンドの選択は、良い相関性である。これは、スペクトルが出来るだけ近いことが望ましいことを意味する。2ミクロン波長帯のバンドのいずれの選択も可能であるが、実際にはバンド6と7は選ばれている。視差検出感度を上げるために、Figure 8(a)に示すように焦点面の両端に配置されている。

Figure 2-8(b)に視差補正のフローを示す。視差に伴うバンド間レジストレーション誤差を除くために、SWIRの視差誤差補正は以下のように処理なされる。

(1) ターゲット画像としてバンド6、可変画像窓としてバンド7を選択する。可変画像窓はその中心がシステム幾何補正でのブロックの格子点に対応するように選び、その画像寸法は21 x 21 ピクセルとする。ターゲット画像は検索範囲をもカバーするような大きさに選んでおく。
(2) 画像合わせで相関をとるための雲無し画像窓を選ぶ。雲のある画像枠に対してはDEM データベースからの標高データで補正する。
(3) 画像合わせを行う画像部分に対してラジオメトリック補正を施す。
(4) 軌道平行方向に可変画像窓を動かしながら画像相関を求める。
(5) ピクセル単位で求められた相関係数を内挿してサブピクセルの分解能で最高の相関位置を求める。
(6) 画像合わせの品質を評価する。品質評価の基準は相関係数とDEM データベース補正との差とする。相関係数の敷居値は0.7(TBR)、DEM データベース補正との敷居値は0.2(TBR) ピクセルとする。ピクセル合わせの品質がこれらの基準に達しない場合には粗いDEMによって求めた視差誤差を用いる。
(7) バンド6とバンド7の間の視差誤差から、全てのSWIR バンドの直下観測に対応した視差誤差の値を求める。


視差誤差によるレジストレーション誤差は各ブロック格子点(ブロックの隅の点)毎に求め、レベル0B画像の軌道平行方向のピクセル単位で表現する。

アルゴリズムの評価は航空機センサとランドサットTM画像から作成されたシミュレーション画像を用いてなされた。ここで、視差誤差に伴うレジストレーション誤差はDEMデータを用いて導入された。この評価結果から判断してデータの99%が0.3ピクセル以内におさまっている。

(a) SWIR focal plane configuration

(a) SWIR focal plane configuration

(b) Parallax correction flow

(b) Parallax correction flow

Figure 2-8 SWIR焦点面構成と視差誤差補正フロー




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